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ありがとう、ニッチ

高橋文樹 高橋文樹

この投稿は 7年 前に公開されました。いまではもう無効になった内容を含んでいるかもしれないことをご了承ください。

2009年に我が家にやってきた保護犬のニッチですが、2月11日の土曜日の朝、息を引き取りました。生前、ニッチと楽しい時間を過ごしてくれた皆さん、ありがとうございました。

もうすぐ8歳になろうかという年齢で、早すぎる死でした。血管肉腫というガンの一種で、闘病する間もなくあっという間に死んでしまいました。

兆候があったのはほんの1ヶ月ぐらい前。肩から出血していたので、「怪我でもしたのかな?」と病院に連れて行きましたが、その時は血豆との診断でした。しかし、傷口を縫っても一向に出血が止まらず、以前イノシシに脇腹をえぐられたときもこんなに元気がなくなることはなかったので、何度も病院に行って食い下がったところ、レントゲンを撮ってもらうことはできましたが、ガンが全身に広がっていることだけがわかりました。この時点で余命いくばくもないということでした。

あとどれぐらいの時間が残っているのかはわかりませんでしたが、最後ぐらい好きなことをやらせてやろうと、いままであげなかったお菓子や唐揚げなど、好きなものを食べさせました。

といっても、最後はほとんど食事も摂らず、水だけを飲んでいました。安楽死も考えましたが、喘ぎながら水を飲む姿を見ていると、きっと生きたいのだろうと、決断できませんでした。

先週の月・火と仕事をストップして山梨を訪問しました。もうほとんど自力では歩くことのできなかったニッチでしたが、山梨ではテンションが上がったのか、もう一頭の妹犬パッキンと一緒に少し歩き回っていました。

パッキンと山梨を散策するニッチ

それから三日後の朝、ついにソファの上でオシッコをもらしてしまい、立てなくなりました。その後、体を拭いてベランダに出してあげた——ニッチは外が好きなので——のですが、僕がパッキンを連れて散歩に行っている間、亡くなったいう連絡がありました。自力でベランダから戻り、そのまま倒れて亡くなったそうです。

ニッチはおとなしい犬で、経堂に住んでいた頃からご近所さんや子供達に人気がありました。その物静かな佇まいから「哲学者のようだ」と大げさにいう人もいたのですが、単に怠け者だっただけというのが飼い主の実感です。柴犬となにかしらの洋犬のミックスだったのですが、シェパードっぽい見かけなので、子供に犬種を聞かれた時などは「ジャパニーズ・シェパードだよ」などと嘘を教え込んでいました。

思い出はたくさんあるのですが、いまはただ喪失感で胸がくりぬかれたようです。もうあと七、八年は生きると思っていました。せめて、公園に捨てられていたニッチが僕のもとに家族として迎えられて少しでも幸せな人生を送ったと願うばかりです。

一度でもニッチと遊んでくれた方々、ありがとうございました。ニッチは今日、荼毘に付され、小さな骨壷の中に収まっています。もう少し暖かくなったら、山梨の土地に埋葬してあげようと思います。

どうか、ニッチが痛みと苦しみから逃れ、天国で怠惰に過ごすことができますように。

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