fbpx

メニュー

クノー『はまむぎ』読解―その多層構造とジレンマ―

高橋文樹 高橋文樹

この投稿は 16年 前に公開されました。いまではもう無効になった内容を含んでいるかもしれないことをご了承ください。

脚注

  1. Raymond Queneau, Le Chiendent, Édition publiée sous la direction d’Henri Godard,Gallimard, ≪Bibliothèque de la Pléiade≫, vol.Ⅱ,2002.
    以下、この刊本への参照は訳出した引用文の後に頁数を括弧内に示す。また、本論の左ページに参照頁数を記した上で原文を付す。
  2. le chiendentはイネ科の多年草で、いたるところに根をはびこらせる雑草である。また、“C’est le chiendent !”と言えば、「それが厄介な点だ!」という意味にもなる。
  3. Queneau, op.cit., pp.222-223.
  4. 詳しくは以下を参照せよ。
    岩松正洋、「読みの慣習と『最小離脱』」、『岡山大学文学部紀要』、28号、1997、pp.145‐157.
  5. Queneau, Technique du roman, Édition publiée sous la direction d’Henri Godard,Gallimard, ≪Bibliothèque de la Pléiade≫, vol.Ⅱ, 2002, p.1239.
  6. 7-8において、戦争で大尉に昇進したサチュルナンは以下のような手記を書く。
    優しい、優しい読者よ、〔…〕右上のページ番号を見て、最終ページの番号と比べてみたまえ、どうだ、読むものはもうそんなに残ってない、そーだろ?(p.233)
  7. はまむぎ』の各章はすべて13セクションから成り立っており、その最終セクションは全文イタリックで表記され、他の12セクションとは違った位置付けをなされている。Voir Ibid., p.1239.
  8. 7×13=91。7はRaymondあるいはQueneauの字数であり、13は死あるいは実存への回帰の数字であるという。Voir Ibid., p.1238.
  9. はまむぎ』の最初と最後の文は、以下に示すように、まったく同じである。
    一人の男の影が浮かび上がった。同時に、何千と。まさに何千もの影があった。 p.3 et 247.
  10. Voir Frank Dobo, [La petite histoire…du≪chiendent≫], in Raymond Queneau L’Herne, No.29, 1999, pp.324-327.
  11. 「転倒」はクノーの作品を読むに当たっての重要なキーワードである。例えば、地下鉄に乗れない少女を扱った『地下鉄のザジ』など。この着想に関しては以下を参考にした。
    中里まき子、「クノー『地下鉄のザジ』論」、『仏語仏文学研究』、23号、2001、pp.75-98.
  12. ピエール・マシュレ、『文学生産の哲学―サドからフーコーまで―』、藤原書店、1994、p.101(小倉孝誠訳)。
  13. この経緯に関しては、以下の論文を参考にした。
    小幌谷友二、「クノーの『ネオ・フランセ(Néo-Français)』について」、『中大仏文研究』、 30号、1998、pp.65-88。
  14. イタロ・カルヴィーノ、『なぜ古典を読むのか』、みすず書房、1997、p.294(須賀敦子訳)
  15. 以下を参照せよ。
    ロジェ・カイヨワ、『遊びと人間』、講談社学術文庫、1990、pp.30-81(多田道太郎・塚崎幹夫共訳)。
  16. 小幌谷友二、前掲書、pp.77-78。

[429] [429] Client error: `POST https://webservices.amazon.co.jp/paapi5/getitems` resulted in a `429 Too Many Requests` response: {"__type":"com.amazon.paapi5#TooManyRequestsException","Errors":[{"Code":"TooManyRequests","Message":"The request was de (truncated...)

    すべての投稿を見る

    高橋文樹ニュースレター

    高橋文樹が最近の活動報告、サイトでパブリックにできない情報などをお伝えするメーリングリストです。 滅多に送りませんので、ぜひご登録お願いいたします。 お得なダウンロードコンテンツなども計画中です。