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放医研で量子加速器を見てきました

高橋文樹 高橋文樹

お隣の稲毛駅にQST(量子科学研究開発機構)という研究施設がありまして、そこが年に数回の見学会を開催しているので行ってみました。量子加速器があり、なかなか見られるもんでもないので家族で行ってみようと。

ちなみに、このQSTは昔は放医研と呼ばれていて、独立行政法人に移行後、原理力研究開発機構のの一部門と合体して量子化学研究開発機構になったみたいです。やはり2011年の福島第一原理力発電所事故以降、放射線の管理や被曝治療の必要性が高まったみたいで、いくつかの複合的な役割を持っているようです。放射線の自然環境での影響についての展示もあったりして、「放射能怖くないよ」という圧を感じました。僕としては「原発は危険かつ長期的な予測に不安があるのだけど代替エネルギーとしてはクリーンエネルギーだからしょうがない」ぐらいのスタンスなので、そんなにしきりに訴えられてもなぁ、という印象でした。

ちなみにこの放医研ですが、作家の岩木一麻さんも勤めていて、その経験から『がん消失の罠 完全寛解の謎』が生まれたと記憶しています。

さて、量子加速器がなんなのかというと、ここでは最先端医療として使われており、体内の特定の部位にある癌を放射線(重粒子線)でやっつけることができます。HIMAC(医療用重粒子加速装置)という名前で、人体も貫通するので、がん治療に効果が見込めるとか。これができる機械は世界に7箇所あって、そのうち4箇所が日本だそうです。

この加速器というのがとんでもないデカさで、サッカーグラウンドぐらいあります。特定の元素(炭素)を量子にするためには、まずめちゃくちゃ高音にして原子をプラズマ化(気体の上の状態)し、イオン化します。このイオンを加速器で光速に近い速度まで加速するのですが、加速のための距離がめちゃくちゃ長い。加速器というのは一台ではなくて、いろんな種類の装置で加速していきます。サッカーグラウンドぐらいの敷地に工場みたいなのがあって、そこをいろんな機械がぐるぐる回っていき、最終的に小さい手術室のベッドに向かって収束していきます。装置が剥き出しで置かれているので、量子加速器の中で頭をぶちぬかれた研究者がいても不思議ではないと思いましたね。

この巨大な装置の向かう先が手術台の人体というのも壮大というか、冗談めいたところがあって面白いです。現在はこの巨大すぎる装置をコンパクトにするための研究も続けられているようです。

名前はよく聞きますが、実物をお目にかかる機械は滅多にないので、みられてよかったです。見学には予約が必要なので、興味のある方はぜひ。

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