今年の1月、緊急事態宣言下でオンライン開催された『幕張市』をSFするーCivic Vision SF Workshop Seriesですが、無事終了の上、成果物としてSF短編を書きました。現在、オンラインで読むことができます。
幕張市の文教地区で幸せな生活を送っていた「私」の元にある日突然政府からの通知が来る——あなたの信用スコアは一週間以内にゼロになります。犯罪者になるかもしれないと怯えながら過ごす「私」の一週間の記録。
「通知された犯罪の記録」
同じワークショップで執筆者として参加した名倉編「幕張コンヨオ」と、「幕張市」という一連のイベント自体のために書き下ろした小川哲「幕張市市民証」も同時に公開されていますので、ぜひご覧ください。
土地を持たず、人々の想像力の中にだけ存在する多層都市、「幕張市」。
この架空の都市は、どのように生まれたか。エンジニアが、デザイナーが、芸術家がいかにしてこの街で「暮らす」ようになったのかを知るための五つの物語。
小川哲「幕張市市民証」
太平洋上に浮かぶ巨大人工浮島・幕張市となった幕張新都心。一方幕張北側は旧幕張として千葉にのこされていた。旧幕張でAIにサツマイモの育て方をおしえる父と未来の幕張市で人工生物のなかで目を覚ます子。2人の運命が交わるとき人類はうまれかわる。
名倉編「幕張コンヨオ」
Civic Vision SF Workshopとは?
さて、そもそもこのイベントがなんなのかということですが、多層都市「幕張市」という一連のアートイベントで、どこかの新聞が存在しない「幕張市」という名称を記事に使ったことで「じゃあそれをネタにしてやろう」というイベントになりました。ちなみに幕張というのがメディアで呼ばれる時大抵は千葉市でも重点的に開発されている幕張新都心を指すことが多いです。
僕が所属する千葉市SF作家の会 Dead Channel JP ではSFプロトタイピングの一環としてこのワークショップを開催しました。SFプロトタイピングは最近本も出たこともあり、かなり注目が集まっているようです。普通は企業が主催しますが、今回は自治体の後援するアートイベントの一環として行いました。
SFプロトタイピング SFからイノベーションを生み出す新戦略
価格¥1,782
順位166,236位
著宮本 道人, 難波 優輝, 大澤 博隆
発行早川書房
発売日2021 年 6 月 2 日
ご恵投いただきありがとうございました。
この幕張市ワークショップも同書にSFプロトタイピングの一環として取り上げてもらっていますが、今回のワークショップでは市民の積極的な参加を促すため、次のような流れにしました。
- ワークショップで「SF的なアイデア」を出してもらう。20名ぐらい参加して、それぞれのグループに分かれる。
- 最終的に4つのアイデアを出し、それを短編作品としてまとめる。
SFプロトタイピングは作家やその他専門家(ロボット、宇宙、AIなど)がアイデアを提供するケースが多いですが、Civic Techという「市民自身がテクノロジーを活用して社会問題を解決する」を参考にし、市民からアイデアを募ることを主眼にしました。
それでできたのが今回の作品になります。イベントの詳細は主催のMETACITYがnoteにまとめていますので、そちらも合わせてご覧ください。
さらに芸術祭にも参加!
さて、この流れで7月24日(土)から8月8日まで開催される生態系へのジャックイン展というものにもDead Channel JPとして参加します。
夜間限定の展示イベントで、千の葉の芸術祭という千葉市主催の芸術祭の一環として行われます。いま鋭意制作中なのでお楽しみに! このイベントが終わったら僕は肩書きをハイパーメディアクリエイターに変えようと思っています。
「生態系へのジャックイン展」自体の入場は無料ですが、新型コロナ対策として予約が必要らしいので、事前予約しておいてください。