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山梨開拓日誌〜無能の人編〜

高橋文樹 高橋文樹

この投稿は 12年 前に公開されました。いまではもう無効になった内容を含んでいるかもしれないことをご了承ください。

山梨には2週間に1回ぐらい行っているのですが、最近草刈りしかしていなかったので、報告が遅れておりました。先日の3連休での出来事をご報告です。今回のミッションは下水工事です。前回の魔女狩り編でお伝えした通り、「汚水捨てんなゴルァ」という嫌疑をかけられたそもそもの理由は「浄化槽を地面に起きっぱなしにしていた」という点であります。そんな事件もあったため、ついに浄化槽を埋めようと決意したわけですね。

浄化槽とは?

浄化槽というのは、こういうタンクで、汚水を貯めて綺麗にするものです。

田舎の下水処理を支える浄化槽
田舎の下水処理を支える浄化槽

都市型の生活をしていると、下水は下水道に直行するのですが、下水の普及していない地域(日本の下水道普及率は70%ぐらい)では、こうした浄化槽で下水をバクテリアなどである程度綺麗にしてから流しているようです。2層式で分解して綺麗な水だけ排出し、残った沈殿層を何年かに一回汲み取るのだとか。

水道屋を営む村長に尋ねたところ、こうした水は田舎の道の脇によくある排水溝に流すそうです。ということは、あの水はウンコを濾した水なんですね……気軽に入らない方がよさそうです。

破滅村の場合は流すべき水路がそもそもないので、市が指定している蒸散式という方式をとることにします。濾した水を地面に広げて蒸発させる方法です。

ミッション1. 穴を掘って浄化槽を埋める

当初は人力で穴を掘るという話もあったのですが、大きい石が出てきたらどうしようもないということで、村長がユンボを借りてきました。機械の力は偉大なもので、あっというまに人がすっぽり入るぐらいの穴ができました。

ユンボで浄化槽を埋める穴を掘る
ユンボで浄化槽を埋める穴を掘る

ここでユンボを使って浄化槽すっぽり埋めます。掘り返した土から根っこを取り除きながら、戻していきます。

いったん埋められた浄化槽
いったん埋められた浄化槽

ミッション2. 砂利を買う

さて、下水を土に流すとベチャベチャになってしまうので、水を浸透させる砂利の層を作ります。そのためには砂利が必要なのですが、ここで村長に連れられて砂利屋さんに行きました。

これで3600円。
これで3600円。

川の近くに砂利プラントがあるので、そこまで2tトラックで移動して横付け。釣り船屋を思わせるプレハブの事務所でお金を払うと、ホイールローダーでザザッとトラックに砂利を積んでもらえます。1立法メートル(2tトラックの荷台一杯ぐらい)でなんと3,600円。僕は「安い!」と思ったのですが、みなさんはどうでしょうか。

ここまでで1日目終了。

ミッション3. 砂利を埋める

さて、2日目。砂利は手に入ったので、それを埋めていきます。まずは砂利を埋めるための穴を浄化槽のすぐ脇に掘ります。これ自体はすぐ終わりました。僕は見てただけですけど。

あらためて砂利を埋める穴を掘る
あらためて砂利を埋める穴を掘る

続いて砂利を投入。トラックが入れないところなので、一輪車で運びながらザザーっと流し込みを続けます。日もだいぶ高くなっていた上、ビールを飲みながらの作業だったので、かなりクラクラしました。

ミッション4. 配管をする

砂利を入れ終えたら、水を散らすための配管(ポチポチと穴を開けてあります)を接続。

敷き詰めた砂利の上に配管を置き、浄化槽に接続
敷き詰めた砂利の上に配管を置き、浄化槽に接続

その上からさらに砂利をかぶせて、埋めます。あとは斜面になっていたので、土をかぶせた上に石を置きます。流出防止になるかどうかは、雨が降ってみないとわからないですね。

浄化槽設置完了。殺風景になりました。
浄化槽設置完了。殺風景になりました。

こうして完成したわけですが、いままであれほど鬱陶しかった雑草もなくなると寂しいですね。まだ上流側(汚水を浄化槽に流し込む方)は作っていないのですが、今回はここまで。

感想1. ユンボ楽しい

浄化槽を埋め込んだ後、ユンボがあるうちに使ってしまおうということで、敷地内を整地してまわったのですが、ユンボの運転は楽しいですね。自動車と違ってレバーもたくさんあり、ロボットを運転しているような感じでした。

ユンボの運転は楽しい
ユンボの運転は楽しい

土木関係の職人さんだと当たり前のように運転できるらしいのですが、なるほど、これは確かに便利ですね。中古だと一番小さいのは100万円ぐらいで手に入るようです。ユンボが常設されていたらと思うと、夢が広がりますねー。

感想2. つげ義春、惜しかった

今回一番衝撃を受けたのは砂利屋さんがこの世に存在するということです。よく考えてみたら当たり前なんですが。

そもそも自然界に砂利のようなサイズの揃った小さな石はそんなにないわけで、大きい石を砕いて作っているわけです。僕はこれまで一度も「砂利はどこかで誰かが作っている」と考えたことはなかったのですが、川の近くなど大きな石が採れるところでは砂利プラントがあるんですね。

甲州街道沿いにあった砂利プラント
甲州街道沿いにあった砂利プラント

つげ義春は『無能の人』において、「川原に転がってる石が売れるなんて素晴らしい、売ろう」という決意をする絶望的な人を描いていますが、観賞用の石としてではなく、砕いてバルクで売れば売れたんですね。経済のミステリーを感じました。

無能の人・日の戯れ (新潮文庫)

価格¥935

順位98,419位

つげ 義春

発行新潮社

発売日1998 年 3 月 2 日

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ちなみに、こうした砂利を小さくパッケージングしたものがホームセンターなどでも売っており、20kgで300円ぐらいです。砂利プラントで直接買うとトラック1杯で3,600円、ホームセンターだと20kgで300円、なにもしないで鑑賞品として売ろうとすると0円……当たり前といえば当たり前ですが、不思議なものです。

 

というわけで、久々に山梨開拓の様子をお伝えしました。夜はすっかり涼しくなってきたので、11月ぐらいまでは快適なんじゃないでしょうか。

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