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  • 結局のところスレイブ上司は感謝の涙を流しながら便所を素手で磨くしかない

批評家の東浩紀さんが唐突に自身の経営する会社ゲンロンを縮小させるという発言をして業界をざわつかせています。

僕としてはそのゲンロンのSF創作講座のOBであり、また、人文系でちゃんとビジネスをやろうとしていた新しい会社であるゲンロンを応援していたので、残念だという気持ちがある一方、「辛い」というのもよくわかるんですよね。

「がんばれ」と外野からいうのは簡単なのですが、会社経営けっこう大変ですからね。そもそも東さん自身にも一作家としての野望や夢があると思うので、「業界全体をよくしたい」と立ち上げた事業に注力することは個人の夢とトレードオフの関係にあるのではないかな、と思います。

以前EvernoteのCEOが「悪いこと言わないから、会社なんて始めるべきではありません」という神インタビューをやっていました。特にここが至言です。

スタートアップ(ベンチャー)を起業してCEOになってみると、実は自分以外が全員ボスのように感じられるものです。つまり、自分の会社で働いてくれる社員は全員自分の上司同然の扱いで接しなければなりません。加えて顧客、投資家、メディアなど、みんながあなたのボスになります。かくいう僕も、エバーノートを始めるまで、これほどたくさんの“上司”のもとで働いたことはありませんでした。起業家になれば名声や権威が付いてくると思うのは大間違いです。極めて例外的な場合を除き、起業家の生活はとっても謙虚にしなくてはダメなんです。

悪いこと言わないから、会社なんて始めるべきではありません

大企業に勤めていると外注先なんかは先回りしてハイハイ言うことを聞いてくれると思いますが、小さい企業のオーナーだと、社員でさえいうことを聞いてくれないことがけっこうあります。「業務命令だからやってね」というシンプルな上下関係が成り立ちません。色々お願いしたり、譲歩したり、代わりにちょっとやってあげたりして、なんとか仕事が前に進みます。

特にプレイング・マネージャーというか、たとえばプログラマが起業したり、物書きが起業したりすると、この過程が非常に辛いです。だって、そのお願いしている仕事というのを自分はもっとずっとうまくできるから。これは辛いですよ! 恫喝して無理やりやらせるパワみ溢れるボスなら気にしないでしょうが、下手に人権意識があってちゃんと議論したりすると辛い思いをします。この状況をスレイブ上司と呼ぶことにしましょう。

ようやく本題です。で、このスレイブ上司になってしまうと、この辛さを解消する必要が出てきます。僕がぼんやり見ている限り、次のような手段があります。

  • 毎日「ありがとう」「笑顔!」といい、花や空の写真をFacebookにアップし続ける
  • 素手で便所掃除をする研修を受ける(新人だけじゃなく、マネジメント層向けもある)
  • 農業・園芸・土いじりなど、自然と触れ合う趣味を見つけ、自然に感謝する
  • 会社を畳む

なんの統計的裏付けもありませんが、上記のような対抗策を講じていない人は、けっこう鬱になっている印象があります。

やはり「すべてに感謝」「どの失敗も成長」みたいなマインドセットを持っていないと、スレイブ上司はやっていけないですね。なんでしょう、「HUNTER×HUNTER」に出てきたネテロの感謝の正拳突き一万本みたいなやつでしょうか。

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作者冨樫義博

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僕も同じ物書きとして思うのですが、こういうマインドセットを変えていく方に持っていくのって、物書きとしては割と苦渋の決断ですよね。以前、いつわりの感謝でも口にすべき理由という記事を書きましたが、魂売り渡すぐらいの覚悟が必要です。


ゲンロンは続けてほしいですが、無責任に「がんばれ〜」ということもできないし、東さんが素手で便所掃除したりするのも彼の創作・執筆に悪影響があると思うので、なんとも言えぬ、という話でした。おわり。

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