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小説家はたぶん永久にGitを使えるようにならない

高橋文樹 高橋文樹

この投稿は 5年 前に公開されました。いまではもう無効になった内容を含んでいるかもしれないことをご了承ください。

メリークリスマス! タイトルは釣りです。

Gitというのは分散型バージョン管理ツールで、ある程度近代的なソフトウェアであれば普通は採用しています。なんであれ「バージョンを管理する」ということは、継続的にプログラムに変更を加えていく環境では必須といえます。

こんな感じですべての変更履歴が残ります。
どこでなにを変更したのかも一目瞭然!

で、このGitというツール(上の画像はGithubで、Gitを便利に使えるWebサービスです)は便利なのですが、操作がコマンドライン(黒画面)であり、いわゆるプログラマ以外には「ウウゥッ!」と思わせるところがあります。一応、SourceTreeなどのGUIアプリもあるのですが、概念自体が複雑なので、使いこなせない人もけっこういます。

黒い画面というのはこういうものです。カチャカチャッターンみたいな。

というか、そもそもGitを学習する本が出ているということは、需要はあるけれどもけっこう難しいツールだということではないでしょうかね。

Gitが、おもしろいほどわかる基本の使い方33

価格¥1,980

順位299,966位

大串 肇, 久保 靖資, 豊沢 泰尚

発行エムディエヌコーポレーション(MdN)

発売日2015 年 5 月 26 日

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なんでいきなりこんなことを書いているのかというと、ちょっと前に小川一水さんという小説家の方が、WinMergeという差分ツールを紹介されて感動していたんですね。

で、リプライや関連するツイートで「小説家とかライターもバージョン管理とか知っておいた方がいいよ」という意見がたぶんプログラマーと思われる方々から発信されていて、小説家であり普通にプログラミングの仕事をしている人間からすると、下記の点から無理じゃないかなーと感じています。

  • そもそも小説家は一般の人が抱くイメージほど「知的」な仕事ではない。専門の学位などを持つ小説家は少ない。よって、新しいツールをすぐに採用できない。御社のプログラミングをできない営業より世間知らずです。
  • 共同作業(e.g. 他人の小説を途中から書く、同時に複数人が書く)があまりないので、メリットが少ない。編集者に初稿を渡して以降の差分管理(P紙やPDFに赤入れ)はもうちょっとどうにかした方がいいとは思います。
  • メリットがあるとしても、その分のリソースを執筆につぎ込もうとする人の方がよい成果を出しやすい。

Gitのようなツールが現在のプログラマ界隈でマストツールとなっているのは、バージョン管理もそうかもしれませんが、Githubのようなコラボレーションツール、自動テスト・デプロイなんかと一緒になって「便利だ!」と思われてるんじゃないでしょうか。実際、ランディングページ量産してる会社とかいまでもあって、そういう会社は普通に index.html.bak.20181224 とかいうファイル名でバージョン管理(笑)してると思いますよ。

したがって、なんらかのサービスやソフトウェアにおまけで「バージョン管理」が実装されない限り、みんなやらないでしょうね。

5年ぐらい前にPenflipというnote + Github みたいなサービスがローンチされたときも僕は「おおっ!」と思ったのですが、ぜんぜん流行ってないですしね。twitterとかも更新されてないし。

コラボレーターも呼べるし、けっこうすごいサービスだった。

ちなみにですが、僕は試験的にGithubで小説を管理しておりますが、この試みの成果については来年以降に「ぼくの考えたさいきょうの執筆環境」としてお届けします。終わり。

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