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2016 年 1 月 25 日 486日前)
3,532文字 (読了時間8分)

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先日雑談していた内容をいきなり思い出したので書きます。ちなみに、陥穽かんせいは「落とし穴」のかっこつけた言い方ですね。

僕はそんなすごい仕事ばかりしているわけではないのですが、以前勤めていた会社でも、いまある複数の取引先でも、経営者と社員の両方から話を聞くことがあります。プラプラしてるヤツなので、相談しやすいんですかね。で、双方が双方ともお互いをよく思っていないケースが多々あるんですよ。図にするとこんな感じですかね。

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で、ですよ。この不幸ないがみ合いの図から脱け出るにはどうしたらいいのか? ということを最近よく考えます。それは僕がこのいがみ合いから脱け出たいからですね。人々は愛し合っているべきです。愚痴聞いてるの辛いですからね。

とはいえ、僕がここで社長および社員の皆さんに双方の言っていることを告げ口してしまったら、ゾルゲも真っ青の二重スパイということになってしまいます。なので、できれば自助努力で解決して欲しいと思います。

ケースとしては、そうですね、従業員100人未満の会社なんかを想定していただけるとわかりやすいかと思います。社長は部長でもいいと思いますし、小規模で未成熟な組織のことだと思ってください。

情報が不均衡な状態だと相手が馬鹿に見える

僕が中学一年生のときの話をいきなりしますが、ある日、僕が友人たちに囲まれて知識披露をする場があったんですね。なんだったかは忘れましたが、「これ知ってる?」「知ってる!」みたいな会話を10コンボぐらい決めて「おー!!」みたいな喝采を浴びていたわけですよ。

そうしたらですね、同級生の女子に「私がいまから出すクイズ解ける?」と聞かれて受けて立ったら、なんと「私のお兄ちゃんの血液型知ってる?」って言われたんですよ。そんなの知るわけねーだろ! そこで僕のコンボは途切れてしまいました……くやしいのう。

ま、この例は極端なのですが、情報の非対称性があると、「こいつバカだなー」と思ってしまうのは人間の性です。僕がよその会社の社長さんおよび社員さんに「わかる」と思い、社員と社長がお互いを低く評価しているのは、僕がコウモリ野郎なのではなく、情報の非対称性のせいですね。2つの立場双方から「言わないでくださいね!」といって情報を集められる立場にいると、片方しか知らない人がバカに見えてしまうのですが、その気持は必死に押しとどめています。

では、社長と社員の間にどんな非対称性があるのでしょうか。お互いにバカと思っている極端なケースで見てみましょう。

トピック 社長 社員
経営理念 知ってる 知らない
会社を経営したこと ある ない
財務諸表 見てる 見てない
現場の業務 やってない やってる
サラリーマン経験 ない ある

ざっとこんな感じですかね。こうした非対称性によって、お互いがお互いをバカだと思っているという悲惨な事態が生じます。

質問によって非対称性がなくなる

はたからそういうすれ違いを見ていると、個人的には「直接聞けば?」と思うのですが、なかなかみんな聞きません。以前読んだ本に「記者の取材の70%以上は新聞・雑誌・本などの誰でもアクセスできる情報からなる」ということが書いてありましたが、影のフィクサーとかにアクセスしなくても新聞や雑誌に乗っている有料の記事ぐらいのものは書けるわけですね。

本文読みもしないで「いいね!」してる人を毎日SNSで見るでしょう。うわさ話はアクセスコストが低いですし、共有している間により真実味を帯びてきます。「うちの社長バカなんじゃねーの?」と同僚同士で盛り上がってるうちに、だんだんほんとにバカに見えてくるわけです。

たとえば上に挙げた評価への不満についても、社員側から見たら……

  1. 自分は先月500万の案件をクローズした
  2. それなのに28万しか月給をもらっていない、成果がすぐ給与に反映されると言っていたのに!
  3. 社長はまともに評価をせず、好き嫌いで給料を決めている
  4. 社長は人事考課もまともにできないバカ

となっているかもしれません。しかし、社長からすると真実はこうかもしれません。

  1. その案件に割いたリソースは5人であり、通常の案件の1.5倍、利益ベースだと赤字スレスレ
  2. 社員はその案件を取れるようになるまでn年が経過しており、その間はずっと赤字だった
  3. そもそもその案件は社長がとっかかりを作ったものである
  4. 昇給などとんでもなく、きちんとトータルで結果を出して欲しい

どうでしょう、双方わりと言い分はもっともで、あとは議論を重ねていくと、

  • 社員「たしかに自分の働きは給与に見合っていなかった、しかし会社の求めている人物像が私がはじめに聞いていたものと違っている」
  • 社長「たしかに君を採用した時から経営方針に変更があったことは認める、それについては情報提供不足だった」
  • 社員「やはり。しかし、ぶっちゃけ経営理念盛りすぎじゃないですか?」
  • 社長「え、マジで? どこらへん?」
  • 社員「だって、A事業部は理念に照らし合わせるとあってもなくてもいいですけど、数字的には屋台骨じゃないですか」
  • 社長「確かにw」

とまあ、ここまでうまく話が進むかわかりませんが、相互理解が進むかもしれません。特に利益ベースの概念は社員の側で共有していないことが多くて、売上ベースで自分の価値を考えてしまいがちですが、経営的にはバランスシートの数字もしっかり乗っているので、ギャップが生まれやすいかもです。

給与と能力のボリュームゾーン

僕がざっと考えるに、小さい企業における技術専門職でない労働者の給与体系と能力の関係は次の3つぐらいに別れると思います。

給料 業務の性質 年齢
月20万以下 非熟練労働者・バイト 若い
月20万〜30万 普通の社員 全年齢
月50万以上 マネージャークラス 全年齢

 

「31万円から41万円はどうした?」と思われるかもしれませんが、僕の肌感覚では月50万以上払ってもいいと思われるためには一つのハードルがあります。業種によって異なりますが、基本的には「部下をもたせられるか」ですね。

部下をもたせるということは、規模の差こそあれ、なにがしかの事業を任せられるということであって、社長からすると、いちいちチェック&サポートしてあげないと成果を出せない人より、「3年以内に年間2,000万の経費で3,000万の売上出せるよにしてくれ」といって「ハイ!」と後は勝手に実行してくれる人の方が嬉しいわけです。

年収600万でそこまでしないといけないのかということは業種や会社規模によって違いますし、大企業だと話はまったく違ってくる(40歳ぐらいまで役職なしとかざらなんでしょ?)のですが、そんなもんではないでしょうか。

よく「経営者の視点を持って欲しい」と社員にいう社長さんを見ますが、それはそれで無理筋です。バランスシートも見せてもらえないのに経営とか言われても困りますし、経営者的な視点を持っていたら自分で事業起こして辞めちゃいますからね。あと「そもそもそこまで長期的な視野を持つほど優秀な社員を雇えるほど御社は魅力的ですか?」と意地悪な質問をされるとぐうの音も出ません。

社員が自分をどう思っているかということと、社長または上長が彼/彼女をどう評価しているかが一致していないとお互い不満を抱きがちなので、なんかこう、うまい具合に共通言語を見つけてもらいたいと思います。

まとめ:みんな仲良くしよう

中小企業の場合、伸び悩んでいるようなところは概ね似たような状況に陥っているとことがあるのでは、と最近思うようになりました。社長の側から情報提供していけばよくなるのか、社員の側から積極的にコミットしていけばよくなるのか。どっちかは正直わかりませんが、両方やっていれば上手く行くとは思います。

僕自身会社を持っていますが、社員はいないわけで、人を雇うということは本当に大変なんだなと思います。せっかく大の大人が集まってそんな困難なことを成し遂げているのだから、仲良くがんばっていくほうが建設的に思うのですが、いかがでしょうか。

それでは、この記事が僕の念頭においている人々に届きますように。

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出版社新潮社

出版日2005-10

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ページ数191

ISBN4106101408

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神だって人間を創るとき、新たな創作ができなかったのか敢えてそうしなかったのかは知らぬが、いずれにせよ自分の姿に似せて創った。だからこそ、同時代の作家から一場面をそっくり盗み出していることがあるとアホな批評家に非難されたとき、シェイクスピアはこんな言葉を口にできたのである。「私はうら若い娘さんをお下劣な連中とのつきあいから救い出して上品な社会に入れてやったのです!」同様の批判を受けたとき、これも同じ理由からモリエールはもっと素朴にこう答えている。「俺は見つけたらすぐ自分の財産にする」シェイクスピアもモリエールも正しい。才能あるものは盗まず、奪い取るからである。

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