Hi, I detected your main language is not Japanese. I have an english version of about me, so please try it!

この投稿は5年半前の記事です。 情報が古くなっている可能性があるので、その点ご了承ください。
2012 年 7 月 7 日 1,847日前)
2,188文字 (読了時間5分)

SPONSORED LINK

今朝方はるばる東京ビックサイトまで出向き、東京国際ブックフェア2012に行ってきました。電子出版EXPOにも行こうかと思っていたのですが、ちょっと仕事が立て込んでいて行けそうになかったので、お目当ての講演一本に絞って参加してきました。

実際はVIPじゃなくてすまん
実際はVIPじゃなくてすまん

電子書籍時代に出版社は必要か? -「創造のサイクル」と「出版者の権利」をめぐって

コーディネーター

福井 健策 氏 (弁護士・ニューヨーク州弁護士・日本大学藝術学部客員教授)

パネラー

赤松 健 氏(漫画家・株式会社Jコミ代表取締役社長)

植村 八潮 氏(専修大学教授・株式会社出版デジタル機構会長)

岡田 斗司夫 氏(著述家・FREEex代表)

三田 誠広 氏(作家・日本文藝家協会副理事長)

内容をざっと説明すると、まずはじめに福井氏から著作隣接権(参考:★なぜ出版社は「著作隣接権」が欲しいのか)への説明がちょろっとあって、あとは「出版社はいるのか」という点についてそれぞれが持論を述べるという展開でした。乱暴にまとめるとこんな感じです。

赤松氏

  • (自分みたいに)古いタイプの作家は編集してくれる人がいた方がいいけど、いまの若い人はそう思ってない
  • 著作隣接権はやだけど調整してくれればまああげてもいい。
  • 著作隣接権の勉強会に漫画家が呼ばれなかったのは気に食わない。漫画家なめんな。
  • 出版社はいらなくなると思う。

植村氏

  • 海賊版配った奴は地獄に落とす
  • 電子書籍とか行ってもぜんぜんマーケット小さくてダメじゃん食ってけないよ
  • 新しいビジネスモデルについては新しいのがでてくるといいよね(他人事)
  • 最近の若者はおとなしくてつまらん

岡田氏

  • フリーミアム! 評価経済!
  • IT時代には超売れっ子とインディーズにわかれるからもうしょうがない
  • 出版社は小さくなるしかない

三田氏

  • 新刊出るよ買ってね
  • 紙サイコー
  • 電子書籍はどうでもいい

感想

星5つでいったら2つぐらいの講演だったわけですが、特に印象に残ったのは以下の点です。

三田先生はもう説得できんね

赤松氏と岡田氏については前から色んな所で主張を読んでいるので、まあ一貫したお話だなと感じたのですが、今回のディスカッションで目を見張ったのは三田先生の議論に参加する気がまったくなかったところですね。最終的には「紙はいいんですよ」とまとめたりして、もうなんか手に負えないですね。

かつてはホームページを手ずから作るなど、DIY力溢れる作家として一目置いていたのですが(破滅派でとりあげたことあり)、もうなんか無理そうですね。仮にIT系の会社が電子書籍事業をやるにあたって三田先生を説得しなければならないとしたら、アマゾン奥地でキリスト教を広める伝道師のような覚悟でいかなければいけませんね。オマエ オレ クウ オレ オマエ コロスの世界ですよ。

三田先生が「やはり紙にするのは権威なんですよ紙じゃなきゃカミカミ」と言い出したときには、自分で電子書籍作って自分で売ってる僕って何?と思ってしまいました。

僕って何 (角川文庫)

僕って何 (角川文庫) [書籍]

著者三田 誠広

出版社角川書店

出版日1988-05

商品カテゴリー文庫

ページ数169

ISBN4041478057

Supported by amazon Product Advertising API

自己言及的すぎて世紀末感がすごい

10:30開始の挨拶が「業界的には遅い時間ですがハハハ」みたいな内輪ネタではじまったので、アレッと思ったのですが、もしかして僕以外全員出版社の人だったんですかね。植村氏も「IT系のジャーナリストとかいたらアレだけど」みたいな感じでしたよね。あの空気感はなんですか。

たとえば「食えない」という議論についても、普通にリストラすれば残った人は食えるようになると思うんですけどね。出版人が毛嫌いしているIT系を例にとっても、Adobeなんかはパッケージ売りがダメになってしまったので従業員の7%(750人)をリストラしたりしてるわけです。人数を1/2にすればいいのか、1/100にしないとダメなのかは元々の業態や取り扱う出版物にもよる(雑誌依存だとヤバいとか)と思いますが、どっちみち人を減らしていくという流れにあらがうことは難しいと思います。これは出版に限った話じゃないですよね。

出版社はいらないのか

企業というのは必要だから生まれるというより、誰かが作ろうと思うから生まれるわけです。まさに生業を企てるわけですよ。儲からなければ潰れますし、儲かっていれば残ります。なので、要/不要という問いの立て方自体がサラリーマン的発送というか、出版事業を所与のものだと考えている証左のように思います。

編プロ連合みたいな形なのか、取次ぎに流すだけの自費出版アグリゲータみたいな形なのかはわかりませんが、残りたきゃ勝手に残れって感じですね。僕もよく編集者に「好きで小説書いているんだからガタガタ言うな」的なことを言われたものです。ちなみに、エジプトにはまだパピルス作って生計立ててる人がいるので、旧メディアだからって一朝一夕でなくなったりしないですよ。

最近の若者はつまらんのか

面白い若者が少ないのではなく、単にオジサンが自分のまわりをつまらない若者で固めているだけだと思いました。「新しく世に出てきた物が優れているなら必ず自分はそれを理解できる」と思うような傲慢なオジサンにはならないようせねばと自戒しつつ筆を置きます。

 

SPONSORED LINK

この記事について

この記事はが2012 年 7 月 7 日にその他の記事として公開しました。

フォローしてください

ここで会ったのもなにかの縁。
高橋文樹.comの最新情報を見逃さないためにもフォローをお願いします。
めったに送らないメルマガもあります。