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高橋文樹 高橋文樹

Covid-19(コロナウィルス)大流行の影で #アマビエチャレンジ というのがtwitterで話題になりました。アマビエは疫病や豊作を予言して、「自分の姿を絵に書いて人に見せよ」といって姿を消す妖怪なので、コロナウィルスにもご利益があるだろうということで盛り上がったわけです。

Amabie (アマビエ, the mermaid that foretold a plague) from kawaraban (瓦版, newspapers of the Edo era)

Wikipediaにも書いてある通り、アマビエには亜種がいるのですが、この「天災を予言して自分の姿を書いて広めろと言う妖怪」は他にもいたはずで、確か千葉県佐倉市にある国立歴史民族博物館にあった妖怪の展示でそのようなものを見た覚えがあります。

こうしたアマビエ的なものが優れていると僕が個人的に思うのは「私の姿を絵に描いて人に広めよ」と言う点。妖怪というものは、人の畏れが実際にあった出来事や物、体験などが噂などの伝達を経て想像されていく自然発生的な存在だと僕は考えているのですが、アマビエには伝播のためのキャラ設定が初めから実装されてますよね。「天災を予言する」だけではなくて、ちゃんと「絵に描いて広めろ」というリツイートみたいな仕組みもセットで付いてくる。

アマビエが載った瓦版は、新聞・週刊誌のようなものだったので、不幸の手紙(e.g. この手紙を5人に送らないとあなたが不幸になる)やチェーンメールなどと同じ仕組みが働きます。肥後(熊本)からはるか江戸まで伝わったというので、「バズった」といっていいでしょう。

アマビエを最初に描いた人はうまいこと考えたなあと関心するのですが、これはメディアというものにセットで実装された「脆弱性」かもしれないですね。伝えられたものが自らを伝えることを要請するという回帰性を持つことで爆発的に伝わりうる。「内容」を伝えようとしている正直者にはちょっと思いつかないですよ。

メディアでは多くの人が注目を寄せる以上、功名心(承認欲求)を寄せる人が必ず存在します。アマビエ程度なら特に害はないですが、反ワクチンとか明らかにそれ有害だろうという情報もメッセージのあり方次第では爆発的に広まってしまうわけですからね。

こうしたメディアの特性をなんかうまいこと使えないかなとは思うのですが、だいたいズル賢い奴の方が思いも寄らない抜け道を見つけたりしますからね。

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「悪い奴ほどよくググる」というエッセーに似たようなことを書きました。

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まだ未成熟だった江戸時代のメディア環境においてすら、「この妖怪に自分の姿を絵に描いて人に見せよと言わせよう」と思った絵師がいたのは結構驚きです。まあ、妖怪だったので本当にそう言ったのかもしれませんが。終わり。

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