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住人になったつもりで『ホテル・アルカディア』を読む

高橋文樹 高橋文樹

この投稿は 4年半 前に公開されました。いまではもう無効になった内容を含んでいるかもしれないことをご了承ください。

以前このブログでも紹介した石川宗生さんの新作『ホテル・アルカディア』をご恵投いただきましたので、紹介します。

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本作は「最新長編」と銘打たれていますが、小説すばるとWebの二媒体で同時連載されていたショートショートをまとめたものです。単行本化にあたってエピソードを取捨選択した上で長編として再構成したと言ったところでしょうか。連載時に何編か読んだのですが、印象はだいぶ変わっていました。より世界観が統一されていますね。

お話はホテル・アルカディアの娘プルデンシア(絶世の美女)がひきこもりになったというところからはじまります。ホテル・アルカディアは芸術たちの集まるアトリエがあり、そこに集う7人の芸術家が彼女を誘い出すために様々な物語を語るというところからはじまります。ペストの流行で出掛けられなくなった人たちがそれぞれに面白話を語るボッカチオ『デカメロン』と同じ構図ですね。そう考えると、新型コロナによる自粛を余儀なくされた我々はさしずめみんなプルデンシアといったところでしょうか。

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『ホテル・アルカディア』では掌編ごとに「文化のアトラス」「愛のアトラス」「都市のアトラス」といった感じでグループ分けされており、いろんなテイストの話が修められています。SF、ホラー、ファンタジー、戯曲、形式も様々ですね。

また、いろんな作品への言及も随所に見られ、海外文学好きならクスッとなること請け合い。前作『半分世界』も海外文学好きに受けている印象があったので、ファンの期待を裏切らないでしょう。

先述の通り、新型コロナによる影響で自粛を余儀なくされている我々は引きこもりのプルデンシアと同じ! こういう状況で読書をするというのもまた特別な体験です。特に「疫病の世界的な蔓延」という状況は人生でそう何度もあることではない(といいのですね)ので、ぜひこの機会に読んでみてください。終わり。

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