先日、『こころ 2013年 Vol.11』という文芸誌を買いました。お目当ては「特集 21世紀の海外文学を読もう!──アメリカ文学編──」です。
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で、感想なんですが、「都甲幸治さんの解説とかはともかく、リストとしてはAmazonと変わらないな」という印象でした。柴田元幸無双というか。
Amazonでは、「あらかじめ目当ての商品があり、それを探して買う」という方法もありますが、なんとなく色んな商品を見ているうちに「この商品を買った人はこんなものを買っています」のリストを辿っていくというショッピング方法も、みなさんよくやられていると思います。
『こころ』で紹介されている本がAmazonのお勧めとあんまり変わらなかったとはいえ、識者のコメントが載っていたり、「あの人が薦めるなら読んでみよう」というモチベーションの部分だったり、そもそもAmazonでのショッピング傾向が『こころ』の影響を受けていたり、出版人がよく口にする「お金をかけて能力のある人が良質なコンテンツを云々」という部分の重要性はあるとは思いますが、少なくとも「リスト」という機能の質に関してはあんまり変わらないですね。現時点で、すでに。
BRUTUSも稀に本の特集なんかやっていて、そういうときだけ買ったりしているのですが、雑誌が「保存版」と銘打った特集を組むのはだんだん駆逐されていくんじゃないのと思いました。編集部的には「よーし、今年もやるぞ!」と一同やる気に燃えてこういう特集を作っているんだとは思いますが。
Amazonのおすすめ以外での対抗馬というと、いまのところ「SF Naver」のGoogle検索結果とかですかね。
ところで、Amazonのリコメンド機能は協調フィルタリングという技術(参照)なんですが、ECサイトの受注なんかで「Amazonみたいなおすすめ機能もつけてください」と依頼されることがよくあります。
「おすすめ」すること自体は単にリストを出力すればよいので簡単なのですが、重要なのは「おすすめの基準」です。Amazonははっきりと「この商品を買った人はこんな商品を買っています」とか「この商品を見た後に買っているのは?」とか「あなたへのおすすめ」とか、明確に「おすすめの基準」を示しており、その基準の根拠となるのは「これまでのユーザーの購入履歴」です。
本来なら「おすすめ機能」というバクッとした認識を改め、「我々は何をお勧めすべきか?」と自問するのが先決なのですが、予算のないお客さん(協調フィルタリングはASPだと月10万以上かかる)に対しては結局人力での入力を薦めることになります。例えば、商品Aに対して商品Bと商品Cを紐づけるというような、原始的な方法ですね。この場合、「おすすめの基準」はオペレーターの頭の中にあります。
稀に自前で協調フィルタリングこさえたいというお客さんがいるのですが、「シシンデラ インストール」とか「Hadoop 協調フィルタリング」でググってから挫折するので、結局採用されたことはないです。
ちょっと話が横道にずれましたが、何が言いたいかというと、「前門の協調フィルタリングと後門のNaverまとめ」のせいで雑誌の保存版特集コーナーが色あせちゃったねということです。
なお、この記事のタイトルは最近Amazonが激押ししてくる『君は淫らな僕の女王』というえっちぃ漫画のタイトルの元ネタこれじゃないのと思って採用しました。
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