渋谷と青山の中間あたりにあるごちゃごちゃした住宅街で作家のOさんと原稿の進捗について打ち合わせる。もうほぼ完成というところまで来ており、安心して店を出る。駅まで一緒に歩いていると、陸橋のようなところで交通事故の現場を目にする。遠目でよく見えなかったが、小さい猫みたいなものが大量に散らばっており、その真ん中で男が唸っている。
助けなければと少し近づくと、その男は虎かピューマのような大型肉食獣であることがわかる。私とOさんはすぐに陸橋の階段を降り、もと来た店の方に逃げる。
と、交差点に様子のおかしい女の人がいる。中高年の女性で、手に大きな杖を持っているが、その先端には刃物がついている。頭には大型のヘッドギアがついており、頭の上にスイカが載っているような感じだ。隣の別の男性と諍いをしていた。私は少し悩んだが、「この上にライオンがいますよ、逃げた方がいい」とアドバイスをする。女はその言葉に激昂してなにか言い返してくるが、危険そうなので逃げることにする。
ライオンが来なそうな場所にしようということで店に戻ることにするが、そのすぐ前で先ほどの女に追いつかれる。女はあきらかに私たちを攻撃しようとしていた。女の動きは緩慢だったので、私は杖を取り上げ、女を取り押さえる。女はまだ暴れていたので、柔道の送り足払いで倒す。すると、女の頭のヘッドギアがはずれ、ものすごい勢いで中身が飛び出す。女の頭はぶよぶよの脂肪質でできており、豚三枚肉の脂身が乗っかっているような状態で、それをヘッドギアにつめていたのだ。女は「あー!」と叫びながらその髪を手で振り絞ると、脂肪のようなものがビチャビチャと落ち、女の頭は小さくなる。女は急におとなしくなり、「すみませんでした」という。私はこの脂肪が女を狂わせていたのだろうと合点し、ふたたび喫茶店に戻る。
喫茶店では私の友人たちが食事をしている。私は先ほどの出来事を伝えようと同卓につくが、Oさんは嫌だったようで「私は遠慮します」と帰ってしまう。ライオンのことが危険だと思ったが、私はOさんを見送る。