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先日夜中に書き上げた掌編小説がわりと反応があって嬉しかったです。フックアップしてくれた飛浩隆先生に感謝。

会田誠さんの訴訟事件について僕がどのような意見を持っているかを小説そのものとはまったく別の次元で書きますと……

  • そもそも大学側がセクハラを認めたのが間違いのもと。「セクハラではありません」と強弁すべきだった。
  • とはいえ、国立大学の独立行政化などからアカデミズムに対する竹中平蔵的民営化イデオロギーはあるので、公開講座のような形で社会と積極的に関わらねばならず、その過程で「まっ、汚らわしい!」という人が出てくるのは避けがたい。
  • こういう衝突は今後も続くんじゃない

という感じです。

ちなみに、今回の騒動の反応で「そもそも会田誠の芸術は不快」という意見を多く目にしたような気がするのですが、僕自身は会田さんの作品は結構好きで、嫁さんと一緒に森美術館の展示も行きましたし、犬とか女の子ミキサーとかも面白いと思っちゃいましたね。女嫌いミソジニーですいません。

村上隆さんとかもそうだと思うのですが、美術業界で正統的とされる技術をしっかり身につけた人がポップカルチャー(漫画とか)の要素を取り入れて批評的な作品を作るのは面白いとつい思ってしまうんですよね。『ミュータント花子』とかも面白かったです。最近の英霊が国会議事堂つまんでるハリボテもtwitterでチラ見しましたが、よかったです。なんというか、超すごい図画工作みたいな感じ。

ミュータント花子

ミュータント花子書籍

作者会田 誠

発行ABC出版

発売日1999-08

カテゴリー単行本

ページ数60

ISBN4900387789

原爆にくくりつけられて死んだ少女がアメリカを滅ぼす話です。

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僕も専門家ではないので自説を開陳するのも憚られるのですが、ポップアートが行きすぎると復讐みたいに見えるを参照してください。ま、「男性作家、少女をアイコンに使いすぎ!」という批判はわからないでもないですが。

で、本題です。こうした事件は「またポリコレか!」と表現の自由戦士たちを奮い立たせているはずなのですが、僕個人としては、昨今の表現規制が強まっている世相に対し、それほど危機感はありません。

危機感がないというと表現者として無責任な感じがしてしまうので補足しますが、「表現の幅は狭まるんだろうな」という予測をしつつ「表現の幅が狭まったら狭まったでその中でうまいことやるのが時代性」と考えている——そんなところです。

芥川龍之介の全集などを読むと、金将軍とか素戔嗚尊などではけっこうチャレンジングな描写をしていて、後者では検閲の結果、普通に黒塗りされてるんですよね。獣姦描写があったとか、なんかそんなので。

表現の自由が担保された状態で書くというのは人類の歴史においてわりと例外的な状態で、その自由を勝ち取るための先人の戦いには敬意を払いつつも、自由がなくなるならなくなるで抜け道をいまのうちに模索しておく。それもまた人生を賭けるに値する。

そういえば、東ロボくんの新井紀子先生に読解力がないことを世に知らしめた中島敦ですが、中島敦も漢文ばっか書いてた衒学的ペダンチックな印象とは裏腹に「戦争起きたら人生変わるかも!」と考えて当時すでに最前線になることが予想された南洋諸島に行ったり、色々試してる人だったんですよね。病気で開戦前に帰ってきてしまうのですが。

中島敦と〈南洋〉

中島敦と〈南洋〉書籍

作者杉岡 歩美

発行翰林書房

発売日2016 年 10 月 30 日

カテゴリー単行本

ページ数212

ISBN487737406X

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というわけで、表現の自由を失ったところで我々の戦いは終わらない。中島敦が出てくる自作の宣伝を貼って終わり。

方舟謝肉祭: 海洋伝奇メタフィクション (破滅派)

方舟謝肉祭: 海洋伝奇メタフィクション (破滅派)電子書籍

作者高橋文樹

発行株式会社破滅派

発売日2015 年 6 月 14 日

カテゴリーKindle版

ページ数225

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