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クリティカルおじさんについての覚書

高橋文樹 高橋文樹

この投稿は 6年 前に公開されました。いまではもう無効になった内容を含んでいるかもしれないことをご了承ください。

「〇〇おじさん」というワードがたびたび世間を騒がせるので、僕もそういう概念を作りたいと思ってクリティカルおじさんを考えました。

これは「会心の一撃クリティカル・ヒットを出すおじさん」というポジティブな意味ではなく、元々の意味である批判的なクリティカルおじさんという意味です。

なぜこんな言葉を思いついたのかというと、僕がブログなどをSNSでシェアすると、速攻で批判的なコメントをつけてくる大ファンのおじさんが一定数存在しています。たぶんその人は僕のことを好きなのでウォッチし続けているはずなのですが、誰よりも先に「〇〇は××じゃないのかなぁ……」というクソリプで一番乗りします。この一番乗りというのがポイントで、満を持して世に放ったコンテンツに対し、いきなり批判的な意見がついてしまいます。

ただ、こうした人が昔はいなかったというと、そういうことは全然ないです。昔バイト先で業務中の居眠り・ギャンブル・飲酒のフルコンボを決めていたおじさんがいたのですが、小説家として干されていた僕に「俺が高橋くんだったらもっとうまくやるのになぁ!」とよく言っていました。その類の人がSNSで可視化されたわけですね。

期待してくれるのはわかるのですが、それなら普通に応援したらいいのに、と思ったものです。この辺は僕の書いた「東京守護天使」を参考にしてください。ぼくはいままでの人生でクリティカルおじさんに50人ぐらい会いました。

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これはSNS時代に顕著なのですが、いの一番に受ける反応が批判的な意見というのは、けっこうやる気がなくなります。世の批判に晒されるのが作り手の責務とはいえ。

一度でも部下を持ったことがある人はわかると思いますが、人前で叱っちゃだめなんですね。クリティカルおじさんは「発言する自分」に対して無自覚というか、客観視できていないところがあります。ある意見(高橋は〇〇すべきである)を発言しようと思ったときに、次の点に対する配慮がまったくありません。

  1. それを自分が発言する資格があるか。
  2. 自分の発言を対象がどのように受け止めるか。
  3. そのような発言をする自分は第三者によってどのように見えるか。
  4. そのような発言をされることになった対象は第三者にとってどのように見えるか。

とりわけ、後半2つの影響がSNSの登場によって大きくなったので、相対的にクリティカルおじさんの罪過は増してしまいました。時代が彼らの罪を増したのだ。怒りを覚えたら深呼吸をしろというのはよく言われますが、できればクリティカルおじさんには二億回ぐらい深呼吸をして、そのまま人生をまっとうしてもらいたいと思います。

 

それでは、まとめます。

定義
クリティカルおじさんは愛する対象にまず批判をする中高年の男性である。素早い。
効果
対象のやる気を削ぐ。
対処法
無視する。
類似概念
クソバイスおじさんSSW(シンガーソングライター)おじさんがいる。ただし、これらは被害者が女性なので、クリティカルおじさんの方が範囲が広い。

ところで「クリティカルおばさんはいるのか」というと、あんまりいない気がしますね。なんでしょうね。僕が男だからですかね。「負けないぞおばさん」はけっこう見るんですけどね。

なにはともあれ、ぼくもおじさんなので、自戒を込めつつ筆を置きたいと思います。

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