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〆切本なるものを読んだ

高橋文樹 高橋文樹

この投稿は 8年 前に公開されました。いまではもう無効になった内容を含んでいるかもしれないことをご了承ください。

ちょうど発売日が夏休みの終わる時期(8/30かな?)だったので、気になって購入した『〆切本』です。古今東西の〆切に関するエッセーを集めた選集ですね。帯もなかなか気が利いています。カバーを外したところにも数々のパワーワードが。「おたくのFAXこわれていませんか」とかはいまでも応用が利きますね。「スマホが水没した」とか。

僕も例にもれず〆切ギリギリまで集中力を発揮できない方なのですが、これを見ていると、普通に原稿落としいてる人いますね。最後に収録されている柴田錬三郎とか流石ですよ。やはり〆切(しかも過ぎてから)の集中力って自分でも凄いと思いますからね。オンラインだけで完結するシステムだと、〆切過ぎたら容赦なく切られちゃいますが、〆切に多少バッファがあると罪悪感と切迫感から追い込みが可能です。アドレナリン・マネジメントとでも言うのでしょうか、ここらへんを高度にコントロールできると、人類全体の資産が増すのでは?

では、面白かったのをざっと紹介。

高田宏「喧嘩 雑誌編集者の立場」
元光文社の編集者によるエッセー。〆切を破られる側の怒りがよくわかる。
樋口収「勉強意図と締め切りまでの時間的距離感が勉強時間の予測に及ぼす影響」
これを読むと、遠い締め切りはよくないというのがわかる。
森博嗣「何故、締切にルーズなのか」
出版界に蔓延するスケジュール破りを糾弾する森博嗣。
赤瀬川原平「自宅の黙示録」
巧妙に話をそらし、本題に入らせないスルー力、見習いたい。
柴田錬三郎「作者おことわり」
潔い。

とまあ、他にも有名な作家がけっこう入っているので、好きな作家がいる人は読んでみてはいかがでしょう。

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