最近、QiitaでiPadでプログラミングしてる人、今まで馬鹿にしててすみませんでしたァァァァ!!!!という記事があったので、僕もさりげなく便乗してGithubで小説執筆が意外とできるよという情報を紹介します。
実は去年買ったMacbookのキーボードが外れロットを引いていたため、コマンドキーの効きがここ二ヶ月ぐらいずっと悪かったんですね。そんな我慢もついに限界を迎え、気が狂いそうになったので修理に出しました。当然お預かりとなるのですが、3日間ぐらいiPhoneでブログ・小説などを書いてみたところ、意外といけるもんだとわかったので、その知見をシェアしたいと思います。
まず前提として、Noveljam 2018で書いた小説のように、Githubで小説を管理しているとします。まずこの時点で対象読者が98%減りましたね。
Githubと連携=Working Copy
Working CopyはGithubリポジトリブラウザです。1900円ぐらい課金するとpushできるようになります。
マークダウンエディタ=Editorial
Working Copyと連携できるエディタにEditorialというのがあります。
ちょっと連携のための設定がめんどくさいので注意。デフォルトブラウザをChromeに設定するとWorking Copyに戻れなくなるのでSafariのままにしておきましょう。
小説の場合、そんなにマークアップとかしないので、ぶっちゃけなくてもいいです。
キーボード&スタンド
スタンドは好きなものを使ってください。1,000円〜2,000円ぐらいで買えます。iPhoneだと軽いスタンドでもいいのですが、iPadの人はしっかりしたスタンドの方がいいかもしれません。
申し訳ございません、このリンクは現在利用できないようです。のちほどお試しください。
あとキーボードなのですが、これは厳選してください。セレクトを間違えると気が狂います。できれば折りたたみがいいのですが、僕はMacのUS配列を使っているので似ているキー配列のやつにしました。以前Windowsっぽい配列の折りたたみキーボードを買った時は気が狂いました。
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電車などの隙間時間にスマホで書くこともあるのですが、その場合は普通にフリック入力で書いています。両手でめちゃくちゃ書いてると隣の人が覗き込んでくるのですが、いまではもう気にならなくなりました。
と、ここまで書いてきてなんですが、メインがiPadでノーパソ持ってないとか、意地でもiPhoneだけで執筆するという宗教的な理由があるとかでない限り、普通にパソコンで書いたらいいと思います。僕自身、緊急避難的にiPhoneで書いてそれ以外はMacbookで執筆という形に落ち着いてます。
なぜiOSからGithubにコミットしないかというと、電車の15分で書いた断片をコミットするかどうかってけっこう微妙なんですよね。たとえば100枚の中編を書いているときに、そんなに細かくコミットするかっていうと、別にしないですね。20枚に一回ぐらいじゃないでしょうか。
Webアプリケーションだったら関数やテストを一個完成するごとにコミットしてテストを走らせるのは意味があると思うのですが、小説で一文ずつ直したコミットログためても学術研究以外にはあまり役立たないような気がします。そもそも自然言語はバグらないし、コンパイルエラーもないですからね。
バックアップとバージョン管理はその役割を厳密に分けた方がいいと最近は思っていて、バックアップは「原稿の喪失」という事故の防止、バージョン管理は作品のクオリティ担保、って感じですかね。
そうなると、スマホやMacbookをいったりきたりして執筆してもコンフリクトが起きないというのが最重要ポイントになるのですが、一番安定しているのはEvernoteという印象です。Dropboxと連携するエディタもいくつか試しましたが、結構な頻度でコンフリクトするんですよね。
何日かiPhoneだけで執筆をしてみて、まあイケはするけどMacbookが修理から戻ってきたらやっぱりMacで書いてます。いままで書いてきたのはなんだったんだという話ですが。
小説にIDEはないのか
とまあ、色々試してはいるのですが、僕の現在の関心事はGitで小説管理とかエディタがどれとかではなく、小説執筆のIDE(統合開発環境)はなにか、という点にあります。
世の中の小説作家と編集者は今すぐ Word や G Suite を窓から投げ捨てて Git と GitHub の使い方を覚えるべきだという記事が去年バズりまして、これはたぶん僕の書いた小説家はたぶん永久にGitを使えるようにならないへのアンサーブログだと思うのです。書き出しも意識してるし。
Githubというのはコラボレーションツールであって、一番力を発揮するのは編集者と小説家の原稿のやりとりなんですよね。ただ、自分がこれまで商業媒体に載せた原稿でいうと、初稿を提出後に色々やりとりして多少直しはするのですが、それって小説全体でいうと、5%ぐらいなんですよ。経験上、たとえば半分に赤を入れてまで世にでることはほとんどないのではないでしょうか。書いた人が芸能人とかなら別かもしれませんが。
そうなると、ツールとしては作家が書いた95%を向上させる方が優先度が高い気がしていて、それはたとえば書いているテキストが凡庸でないかどうかをチェックしてくれる機能だったり、小説をドライブしている要素を可視化してくれる機能だったり、登場人物や事件を代用品として用意しておいて先を書いていける機能だったり、なんかそんな感じです。一ヶ月コツコツと書きためた長い小説を一回振り返って、どんな改善の余地があるかがわかったら、たいそうやる気も出るだろうというものです。
で、今後はそういうツールの開発に注力していきたいなと考えてます。以前は「メタメタな時代の曖昧な私の文学」というエッセーで文学を巡る環境論みたいなことをつらつら書きましたが、今後はもう少し実践的な内容を追求したいですね。そんなわけで終わり。
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