2013年ぐらいから2019年にかけて破滅派で書きためてきた小説のうち……
- 短いもの
- SFではないもの(SFはSFでまとめて出そうと思ってる)
- 文章がちゃんとしてるもの
- 現代社会を舞台にした、わかりやすいもの
をまとめた小説集を出しました。短編よりもうちょっと短いので、掌編小説集と銘打ってあります。どれも短いので、さくっと読めます。
内容はこんな感じ。今回はAmazonのテキストを一生懸命書きました。
2013年から2019年にかけて破滅派で発表された掌編から選りすぐりのものを集めました。大人向けの恋愛小説から、時事ネタを取り扱ったユーモア、異国の地を舞台にしたパニックものなど、ジャンルフィクションの枠に止まらない、幅広い作風をお楽しみください。
Amazon
【掲載作】
◆小説
「マスターピース」
平凡を自称する男が近所にできたばかりの床屋を訪れる。好奇心から始まった床屋通いが、いつしか深刻な映画監督マリオ・マチャードの話になる。非対称会話小説。
「教会にて」
いつだったか忘れたが、NHKのディレクターに「桜庭一樹先生が番組で超ショート小説を募集するからなにか書いてくれ」と頼まれて書いた。その後、どうなったかは知らない。お題は「教会 少女 カーテン」だった。
「大人はゆずってくれない」
破滅派合評会二〇一七年八月参加作品。お題は「パリでテロがあった」。ちょうどパリに行ったばかりで、滞在中にサン=ゼリゼ通りでテロもあったので、記憶を頼りにお題のまま書いた。
「女はすぐに終電を忘れる」
女たらしの柿崎は美しい女と食事をする。映画の話をし、夜遅くなり、いままでそうしてきたように、彼女と寝ようとする。しかし、彼女は実のところ……映画のように人生は激的に変わる。アーバン・ホラー掌編。
「丁寧な女体盛りの前書き」
会田誠という美術家の授業で「苦痛を受けた」という理由から、京都造形大学が受講生から訴えられた。この訴訟事件を受け、受け手に無限に配慮した小説を着想。あるいは、未来の小説はこんな前置きが普通になるかもしれない、という皮肉を込めて。
「僕は不倫をしたことがない」
破滅派合評会二〇一七年四月「酒と不倫」参加作品。「僕」には好きな人がいる。彼女がゴールデン街のカウンターで寝物語をするのが、僕には苦しくてたまらない。藤城孝輔に「スライス・オブ・ライフ」と評された掌編。
「小僧のザリガニ」
「夏の実話」をテーマにした、第二回SS合評のための掌編。幼かった私は公園で話しかけてきた年かさの男の子たちに連れられ、ザリガニの漁場を目指すが、あるトラブルに巻き込まれる。四歳か五歳の頃の記憶。タイトルおよび構成は志賀直哉「小僧の神様」を意識した。
「いい曲だけど名前は知らない」
感じのよい喫茶店で、男は涙をこらえる。歌詞も聞き取れないような美しい歌が、彼の過去を清算する手助けをする。音楽はいつもそんな風にしてある。
◆詩
「朝のきたい」
「てぶくろの嫌いな人」
本当は今年の頭ぐらいに出したかったのですが、色々忙しかったので今になりました。気づけばもう一年半分終わってるじゃんか。
一応、Kindleで出すにあたって校正をしたのですが、なんというか、僕は文章がうまいですね。自分でもびっくりしました。
高橋文樹ウォッチャーにはそれほど新鮮味ないと思いますが、少年ジャンプの連載がコミックスにまとまったら買うみたいなノリでご購入いただけますと幸いです。
SNSなどでも御シェアのほどお願いいたします。今回はTシャツも作ってみたので、お金が余ってしょうがない人は買ってみてください。