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拳銃を返せと言われて

高橋文樹 高橋文樹

この投稿は 15年 前に公開されました。いまではもう無効になった内容を含んでいるかもしれないことをご了承ください。

拳銃と猟銃を持っていたが、地方に住む遠い親戚から返してくれと言われた。僕は猟銃なら返してもいいと答える。拳銃は隣に住むDVおじさんと戦うために必要だったからだ。

親戚曰く、拳銃はさるやんごとなき人から譲り受けた者で、とても値がつけられたものではない。とりあえず一千万払えと言う。僕はそんな大金を持っていないので頭を抱えるが、新聞に賞金レースの公募欄を発見する。F1レースで優勝すると、一千万貰えるというものだ。

僕は実家にF1カーがあることを思い出し、取りに行く。が、実家にあるのはラジコンだった。これではレースに出られない。

ふと、会社の車があることを思い出す。僕の勤めている会社はパーティを行う会社で、車を何台か保有している。

会社へ向かう道すがら、僕は会社の車がF1カーではなく、パリ・ダカールに出場するようなラリー車だったことを思い出す。それでF1レースに出られるだろうかと不安に思いながら、僕は会社に到着する。

会社ではパーティをやっていた。僕は担当者に車貸し出しの許可を得ようと探し回るが、その途中でウィスキーを勧められる。飲酒してレースに出られるだろうかと不安に思いながら、僕はウィスキーを煽り、パーティの参加者たちと話す。

その中に、オバマ大統領を囲む一団があった。僕は大統領の前でウィスキーを飲んではいけないと思い、近くにあったゴミ箱にウィスキーを捨てる。腰ほどの高さがあるゴミ箱がウィスキーで一杯になる。

オバマ大統領と少し話していると、その輪にいた男が林檎を勧めてくる。僕はそれを食べるが、林檎の中心が非道くパサパサしていることに違和感を覚える。見ると、林檎は中心が赤黒くなっている。腐っているのではないか、と僕は尋ねる。

男は違うと答える。彼は林檎と小豆の混合種を作っている。林檎の中の種が小豆になっている品種だ。まだ四十個に一個ぐらいしかできないが、近々商品化する予定だという。

周囲の人は彼を憐れむ目で見ている。僕は彼を尊敬する。うまくいったら、小豆林檎は「素粒種」という名にするらしい。ネーミングセンスはよくないようだ。

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