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日本語を書く人はイタリック体とどう向き合うべきなのか

高橋文樹 高橋文樹

この投稿は 5年半 前に公開されました。いまではもう無効になった内容を含んでいるかもしれないことをご了承ください。

文章を書く人には色んな種類がいると思うのですが、小説を書いている場合、縦書きと横書きに慣れていない人がけっこいるな、ということを感じる時があります。

たとえば、こんな風に横書きで書いているとしますよね。

2011年、東日本大震災の爪痕が残る関東のあるダム工事現場で、縄文人の骨が発見された。発掘が進むにつれ、その人骨は少年であり、その手の先にはもう一体、少女の人骨が埋まっていることが判明する。しかも、それは弥生人のものであった。

縄文小説参考文献『二千七百の夏と冬』レビュー

これが例えばなんらかの雑誌に載ったとすると、こんな風に表記が変わります。

ちょっとかっこ悪いです

ご覧の通り、”2011″という表記が横に寝てしまっているので、ちょっとかっこ悪いです。よって、僕はそれが将来的に縦書きになる可能性がある場合は「二〇一一年」と書くようにしています。ある程度書き慣れている人はみんなそうしてるんじゃないかな。

で、いまはWeb上で文章を書く場合、HTMLという構文を使います。縦書きでどうしても表現しづらいマークアップ(文章の装飾)にem(強調)というのがあるんですね。

emstrong(強い強調)と対をなしているのですが、これは普通、emがイタリック体、strongが太字で表現されます。で、このイタリック体というのが曲者で、これを縦書き表記するとなんか変な感じになります。

「真夜中」の部分がイタリック。なんか変。

なんかこう、読む方向から流れが分断されたような感じになりますね。このイタリック体というのがそもそも横書き文化の表現なので、そぐわない感じ。あと、ブラウザやフォントによってはイタリックが効かないこともままあります。

しかし、いまは横書きの文章を読む機会がとても多いので、このイタリックはよく使われます。論文を書き慣れている人とかもわりとイタリックを愛好しますね。引用元を示す”ibid.”とか。

僕が主催している破滅派では、Webで発表した作品がそのまま印刷物や縦書きの電子書籍になるので、どうしているかというと、そもそもイタリックを入力できないようにしていて、emは太字という扱いにしています。このサイトではちょっと変えており、こんな風に圏点(傍点)が振られます。

そうなると。じゃあより強い強調であるstrongはどうするねん、という話になりますね。このサイトではstrongこんな風に太字にしているのですが、圏点と太字だと、圏点の方により強い強勢があるようにも見えますし、悩ましいところです。本文書体が明朝なら、emは太字明朝、strongは太字ゴシックとかする手もあるのですが。

サイト本文emstrong
普通のサイト明朝・ゴシックイタリック太字
このサイト明朝圏点太字
破滅派明朝太字太字ゴシック

あと、emstrongを使い分けられるケースがあまりなかったりするので、そもそもemを入力できなくするという手があります。強勢を使い分けるためにemを入力するというより、イタリックにしたいからemを入力するということも多いですね。アイコンがイタリックだったりするし。でもイタリック体とオブリーク体(ただ単に斜めにしたやつ)というのも書体的には違うんですよね。ちなみにイタリック体の反対は立体というらしいです。

まとめますと、日本語表現ではイタリックに相当する表現で一般的なのってないよね、みんなどう思う? という話でした。終わり。

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