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Web制作を無料や安い単価で請けても大丈夫になるようにしたら儲かる

高橋文樹 高橋文樹

この投稿は 12年 前に公開されました。いまではもう無効になった内容を含んでいるかもしれないことをご了承ください。

極端に低い単価や無料で仕事をしてはいけない単純な理由|DESIGN Oil BLOGぶっちゃけWEBサイトっておいくらなの?って話というエントリーが話題になっていたので、僕も便乗して書きます。

おまえ誰?

僕は小説家なのですが、儲からないどころか仕事の依頼さえないので、おもにWeb制作で生計を立てています。一応会社を経営しているものの、人を雇って仕事を増やしてということをやっていないので、実態としてはほとんどSOHO(個人事業主)です。スキルセットはHTML・CSS・JS・PHP・Flashですが、最近はWordPressの受託ばっかりです。

単価の出し方

工数は人日4万円で算出しています。Webデザイナーの方はページ単価とかで請けているかもしれませんが、僕はIT業界の慣例に倣い、人月で計算しています。

4万円という値段の根拠

「1日4万円」というのが僕の技術力から見て高いか安いかですが、特に高いとも安いとも言われたことがありません。一ヶ月フル稼働で80万ですが、普通に派遣業者で僕と同程度の技術者を雇ったらもっと高いんじゃないかと思うので、そんなにボッタクリではないでしょう。社員じゃないので、次の日から仕事を頼まなくても問題ないですし。

ちなみに、独立した当初は3万円で請けていたのですが、もろもろ計算すると割に合わないと思ったので4万円に値上げしました。既存のお客さんをいきなり値上げするのもアレなので、「先着セールだった」ということで自分を納得させています。

受注額の幅は数千円〜200万ぐらい

受注額の幅なのですが、結構大きいです。基本的には人工なので、「どれだけめんどくさい仕事か」で価格が変わってきます。

 

1. 200万ぐらいの案件
これは数ヶ月かけて新しくサイトを作る時の額です。既存のCMSを導入して上っ面を変えるだけじゃどうしようもない場合が多いです。「新規にビジネスを立ち上げる」とか「いままでにないWebサービスを作る」などのケースです。これを超える規模の案件は代理店的に立ち回らないとちょっと無理ですね。
2. 〜50万ぐらいの案件
ちょっと複雑なことをやる場合ですとか、MySQL使ってどうたらこうたらという場合はこれぐらいの価格帯で請けています。よくあるWebサイトの場合はこの額でもまるっと請け負っています。10万ぐらいでデザイナーさんに投げて(マークアップなし)、あとはちゃちゃっと作るという感じですね。
3. 数万円の案件
こまかい仕事です。最近多いのは、Webデザイナーや自社サービス運営者から「ここまでやったけどできなかった。助けて!」というパターンですね。1日〜2日で終わるものがほとんどです。MTGなし、基本メールで見積もり投げてソース納品して終わりです。
4. 数千円の案件
これはあまりないですが、「twitterのボタン設置して!」などの超簡単な奴ですね。基本的には付き合いのあるお客さんに頼まれたときだけやっています。

 

以上をふまえ、僕が最近感じていることをまとめてみたいと思います。

安い単価のものは売れる

もちろん、自分のブランドをしっかり確立してモノやサービスを売っていくというのは大事なのですが、単純に「安いモノの方が売りやすい」というのはあると思います。単純に単価を上げた場合、そのものはその価格上昇分に見合った「なにか」を持っている必要があります。この「なにか」を提供するのは、あまり楽なことではありません。その一方、安いというのはそれだけで競争力を持ちます。最強は0円です。

実感としても上で紹介した3のボリュームの仕事が増えています。「価格を上げていく」というプレミアムモデルもビジネスの一種ではありますが、「単価を下げて販売数を上げていく」というのもビジネスのやり方です。

無い袖は振れない

これは現在の経済トレンドもあるのですが、最近みんなお金を持っていません。僕はWeb業界で仕事をしはじめて5年ぐらいしか経っていませんが、それでもどんどん制作にかけられるお金は減っているように思います。数十万の買い物でどんだけハンコ必要なの、と思うこともしばしばです。

また、これまで何度か不払いの憂き目に遭って感じたことですが、「払いが悪いお客さんはケチなのではなくお金を持っていない」という厳粛な事実です。弁護士の方に聞いたところ、「不払いで口座を差し押さえて突撃しても残金7,000円だった」というのはよくあるケースらしいです。連絡が付かないのも、相手が純然たる悪である場合より、「払えないのが気まずくてバックレ」という場合が多いのではないでしょうか。

そんなわけで、値下げを要求してくるお客さんは、相手の足下を見ているのではなく、「お金がなくて困っている」と考えると色々上手くいきます。「もっと安くしてほしい」とお客さんに言われた場合、それをニーズと捉えるか、「姑息なブラック発注者め!」と思うかは自由ですが、前者の方が生産的です。

参考: ThemeForestの場合

ThemeForestという海外のテンプレート販売サイトがあるのですが、WordPressテーマは大体3,000円ぐらいで売られています。海外のテンプレートなので、日本ではそのまま使えない場合が多いですが、それでもこの価格は衝撃です。日本でデザイナーに発注してこのクオリティのテンプレートを丸々作ってもらったら20万以上はかかるでしょう。「ロゴが〜」とか「フォントが〜」とか「オリジナリティが〜」とか「海外と日本ではそもそも〜」とか、専業のWebデザイナーは色々と言いたいこともあるだろうとは思いますが。

海外の格安テンプレサイトthemeforest
海外の格安テンプレサイトthemeforest

ちなみにこのTheme Forestですが、一番売れてるテンプレートは16,000以上販売されているので、4,000万円ぐらい稼ぎ出したことになります。WordPressテーマ作成を4,000万以上で受注できる人はそうそういないでしょう。また、そんな発注をする企業も存在しません。もしあったら教えてください。

まとめ

単価を上げても、販売数を増やしても、売上は伸びる。

というわけで、あまり参考にならないかもしれませんが、終わりです。

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編集宣伝会議書籍編集部

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発売日2011 年 5 月 1 日

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