先日、Firefoxがバージョン38にアップデートしましたが、その中の重要な変更点として、ついにルビに対応しました。FirefoxはChrome, Safariといった電子書籍に熱心なWebkit系や、IE5.5からruby
タグを実装していたMicrosoftと比べると日本語対応が後手後手でしたが、晴れて追いつきまいしたね。ちなみに、圏点を実現するtext-emphasisはまだの模様です。
Firefoxがver38からルビ対応とのことで、見てみた。確かに表示されているので、僕のルビ振りプラグインも直そう。ちなみに圏点(text-emphasis)は未対応の模様。 http://t.co/tPPPU74wl1
— 高橋文樹『アウレリャーノがやってくる』 (@takahashifumiki) May 13, 2015
で、僕は以前からWP-Yomiganaというruby
タグを入力するためにのプラグインを作っていたのですが、FirefoxやOperaといったブラウザ向けの機能をつけていました。ルビを表示できないブラウザの場合、ルビの親文字とルビ文字がくっついて表示されて薔薇ばらみたいなカッコ悪い表示になるので、カッコをルビ文字の前後に挟むためのCSS用クラスを提供していたんですね。薔薇(ばら)ってなるように。が、これをFirefoxのバージョン38以上に限り外すようにしました。
それだけだったらすぐなのですが、いざ手を入れ始めると色々気になるところが出てきたわけです。特にWordPressは4.1ぐらいからTinyMCEビジュアルエディタのベースのバージョンが変わったので、それにもついでに対応しました。
あと、cite
タグという知る人ぞ知るタグがあるのですが、これは僕みたいに生真面目な人間だと、ブロック引用の後につけずにはいられないタグです。
「男のひとって変ってるわね」ほかに言いようがないので彼女は呟いた。「坊さんを相手に戦ってるくせに、祈禱書をみやげにくれたりするんですもの」
ガブリエル・ガルシア=マルケス – 百年の孤独
こういったやつをちょこちょこ対応していたら、なぜか10日ぐらい経っていました。不思議です。
というわけで、お試しください。ちなみに、ルビ以外にも色々入力できるタグはあって、僕が普段WordPressを使っていて、「あれ、このタグのボタンないの?」と思ったものに入れてあります。
- qタグ
- インライン引用。ブロック引用のように大量に引用しない場合、たとえばカエサルが
来た! 見た! 勝った!
って言ったとか、そういう風に使えます。 - smallタグ
- 文字通り「小さい」という意味ですが、HTML5からそういう見栄えのことはやめようとなって、「注釈」という意味づけになったようです。ふいんきなぜか変換できないというように使います。
- dlタグ
- 定義リストと呼ばれるタグですね。このタグがいかに魅力的かは、さらばdl原理主義者を読んでください。
今回とくにびっくりしたのは、TinyMCEにはWordPressの画面に現れている以上のボタンがたくさんあるのですが、なぜか使われていないんです。以前dl
タグを実装したときなんかは、まだTinyMCE側がdl
を実装していなかったので、じゃあしょうがねえと頑張って作ったのですが、いまはTinyMCEにそういうコマンドがあるんですね。不思議なもんですね。
というわけで、ブログでルビを入れたいとお悩みの方は、ぜひお試しください。
価格¥550
順位38,903位
編集日本エディタースクール
発行日本エディタースクール出版部
発売日2012 年 3 月 1 日