W3Cというのは、Webに関する技術を策定している団体です。そこを見たら、日本語組版処理について検討しているとの情報が書いてありました。
書記システムは,言語,文字と並び,文化を構成する重要な要素である.それぞれの文化集団には独自の言語,文字,書記システムがある.個々の書記システムをサイバースペースに移転することは,文化的資産の継承という意味で,情報通信技術にとって非常に重要な責務といえよう.
この責務を実現するための基礎的な作業として,このドキュメントでは,日本語という書記システムにおける組版上の問題点をまとめた.具体的な解決策を提示することではなく要望事項の説明をすることにした.それは,実装レベルの問題を考える前提条件をまず明確にすることが重要であると考えたからある.
W3C|日本語組版処理の要件
W3Cは学術団体のようなものなので、かなり表現が難しいですが、日本語組版に対して前向きに動いているようです。
なんでこんなことに注目したかというと、Webで縦書きを達成することはとても難しく、「ルビがルビーのことだったとは……」でも書いた通り、特殊な技術を駆使せねばならないのです。
このブログでも、縦書きにしたいのですが、とても時間がかかるので躊躇しています。それこそ、本業に差し支えるほど面倒なことなので……
その点W3Cが本腰を入れてくれれば、当たり前のように日本語縦書き組版が実現するため、すごいことです。パソコンの画面は縦長だから、長い文章を読むときは絶対に縦書きの方が向いてると思うんですよね。
しかし、W3Cは検討に入ってからそれが世に流布するまで恐ろしく時間がかかるのが常です。たぶん、当たり前のようにWebでの縦書きが実現するのは、3年以上先になるんじゃないでしょうか。
ただし、コンテンツを汎用フォーマットの文書に落としておくことは絶対に必要だと思うので、今のうちからこのブログもそうしておかないと。
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著益子 貴寛
発行秀和システム
発売日2005 年 7 月 7 日