Amazonで品切れ状態となっていた話題のノンフィクション『死に山』を読んだので、その感想です。
本書はディアトロフ峠事件という、実際にあった事件に迫るノンフィクション。ロシアの厳冬期トレッキングに出かけた大学生のパーティーがある晩、絶滅するのですが、その死に様が話題になります。全員、テントから逃げ出しており、靴も履いていないような姿で発見。ある者は木にしがみついたまま、別の者は薄着で抱き合ったまま発見されます。そして、舌のない遺体まで。
登山に慣れたこの若者たちがなぜ全滅してしまったのかについて、様々な憶測が語られます。放射能実験説、暗殺説、獣害説などなど、色々な説が登場しますが、どれも決め手にかけたまま五十年が経過。著者のドニー・アイカーはその謎をとくべくロシアに飛びます。
で、結果的にいうと、ドニーさんはその謎を解いてみせるのですが、その過程がなかなか鮮やかで、説得的です。この「実際に解く」というのはノンフィクションの中でもミステリーっぽさがあって面白いパターンですね。「殺人犯はそこにいる」みたいな感じです。
価格¥880
順位24,221位
著清水 潔
発行新潮社
発売日2016 年 5 月 28 日
たぶん、本書が注目されたのは、クレイジージャーニーで取り上げられたこととかもあると思うのでうすが、オカルト好きたちの話題に上るようになったのがグラスノスチ(ソ連の情報解禁)やインターネットの普及後というのが面白いですね。事件自体は古いですが、興味の対象になったのはわりと最近というわけです。
個人的には「ピダハン」や「狼の群れと暮らした男」「アクト・オブ・キリング」と同じぐらいには面白いのでは、と思いました。
価格¥2,640
順位265,280位
著ショーン エリス, ペニー ジューノ
翻訳小牟田 康彦
発行築地書館
発売日2012 年 8 月 24 日
価格¥330
順位73,704位
監督ジョシュア・オッペンハイマー
プロデュースシーネ・ビュレ・ソーレンセン
出演アンワル・コンゴ, ヘルマン・コト, アディ・ズルカトリ
発売日2014 年 12 月 17 日