なぜ職場で“30代老害”社員が急増しているのかという記事を読み、「そんなの昔からいそうじゃない?」と思ったわけですが、「意識の高くてレベルが低い人」という表現は秀逸でしたね。☆3つあげます。これ、使い勝手いいですよ。身も蓋もなくて。
さて、上の記事に触発されて僕が昔から提唱している危険な隣人、モロ師岡について書こうと思います。
北野武監督作品で『キッズ・リターン』という青春ボクシング映画があります。「俺たちもう終わっちゃったのかな?」「バカヤロー、まだ始まってもいねーよ」というセリフ(いきなりのネタバレ)が有名ですが、映画の中で強い存在感を放つのがモロ師岡です。
この作品では金子賢と安藤政信が主人公で、二人は同じボクシングジムに入るのですが、なぜか悪の道に誘うのがモロ師岡扮するジムの先輩なんですね。まず、金子賢が脱落して極道の道へ。金子賢より才能があった安藤政信も、やがてはモロ師岡の誘いに乗ってしまい、ボクサーとしても堕落していきます。
で、そのモロ師岡が教える悪事というのは、こんな感じなんですよ。
- タバコや酒をけっこう積極的に薦める
- 試合で肘打ちなどのズルをする
- サボり方を教える
このモロ師岡扮する先輩が非常にいい味を出しているというか、リアリティーがあるんですよね。
悪意なく堕落へ誘う人たちがこの世界にはいる
さて、僕は就職する前、バイトしながら小説を書いていたので、基本的に時間が空いているといえば空いているんですね。ただ、それは空けてあるわけで、暇というわけではないんですよ。わざわざ貧乏生活を選んでそういう風にしてるわけですから。その時間で小説書くんですよ。
しかしですよ。誘惑してくる人というのがいるんです。その人からすると、「寂しい」とかそんな理由なのかもしれないのですが、「今日ぐらいいいじゃん!」っていう理由でしつこく誘ってくるわけです。
当時の僕はいまよりももっと社交性がなかったので「自分小説書くんで」って高倉健ばりに断ってたんですが、断ると嫌な顔されるのがストレスでしたね。
こういう人はバイト先とか友人にいっぱいいて、なんというか、悪意はないんですよね。僕のことが好きだから誘ってきてくれてるわけです。しかし、本当に僕のことを思うならですよ、ほっといてくれたら僕は好きなだけ頑張れるわけじゃないですか。息抜きにしては頻度多過ぎるし。
情熱がなく、徳の低い方向へみんなを誘導しようとする人がいますよ。そりゃまあ、がむしゃらに頑張るだけが人生ではないですが。
モロモロオ化しないよう気をつけよう
さて、いま自分が歳をとってから振り返ってみると、今も今でそれなりに忙しくしているのですが、やっぱり当時よりはガムシャラ感が減ってるわけですよ。家庭もあるし。
そうなると、十年前の自分みたいな若者に会って、なんか懐かしくなって「ちょっと飲もうよー」とか誘っていても、向こうは「ふざけんな老害そこで一生終わってろ」とか思ってるかもしれないですね。まあ、僕は誘わないんですけど。社交性ないんで。
人生の色々なステージにおいて、人の優先事項が違うのですが、願わくば前途ある若者の足を引っ張るような存在になること(モロモロオ化)がないよう、気をつけたいところです。終わり。
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