僕はかれこれ16年ぐらい朝晩に犬の散歩をしており、この時間を有効活用したいと検討した結果、Pokemon GoとAudibleに落ち着いています。平均して1日1.5時間ぐらい散歩をし、子供の習い事のお迎えや週末のサーフィンにいくドライブなど含めると週15時間ぐらいAudibleを聴いている計算になりますね。一冊6-12時間ぐらいなので、1.5倍速で聴くと、週2冊ぐらい聴き終えることができます。
電車の中や病院の待合室では紙の本を読むことが多いです。僕が買うような紙の本はAudibleや電子書籍になっていないことが多いので、「気になってたけど買ってない」「興味はあるけど本格的には読んでない」ジャンルの本をオーディオブックで読む、てな感じで棲み分けできてます。
Audibleが定額制になってからラインナップがかなり豊富になっていて、早川書房や岩波書店が特に充実している印象です。新書は回転がはやく、最近話題になった本がすぐにAudibleに入ってくる印象です。

たぶんですが、2025年は80冊ぐらい聴いたんじゃないかと思うので、そのうちから特に印象に残っているものを5冊ピックアップします。読んだ順に古いものから。
1. 魔女狩りのヨーロッパ史
なんでこれを読もうと思ったかというと、陰謀論に興味があって、その過程で「魔女狩りが似ていそうだな」とふと思い当たったからです。読みながら呟いてますね。
現実にいた魔女を記録したのではなく、「魔女とは何か」という設定を悪魔学者(聖職者)が一生懸命に考えていた、というのが現代にも通じますね。基本的に魔女は人間の欲求を逆にしたような設定になるので、サバト(悪魔のパーティー)では悪魔と魔女が乱行するのですが、悪魔のペニスは冷たくて気持ち悪いらしいですね。でも、魔女だから、それが逆にいいと。許せん、と。これを考えたのが聖職者だったっていうのが本当に倒錯しているなぁ、と感じます。聖職者は挿入されたペニスがあったかくてキモチイイということをどう知ったんですかね。NTR(ネトラレ)好きと同じ脳の報酬回路になったのでしょうか? たぶん、設定いろいろ考えながら股間をパンパンにしていたのではないか、と私は邪推します。
2. ルポ フィリピンの民主主義──ピープルパワー革命からの40年
また岩波新書です。3月にフィリピンいったので、その前に予習をしておこうと読んだのでした。僕のすごく幼い頃、フィリピンのニノイ・アキノが空港で暗殺されてニュースになってたのを覚えているのですが(そのとき僕は4歳!)、その後も革命が起きてイメルダ夫人が亡命して靴がめちゃくちゃ残ってたとか、そんな記憶が蘇りました。しかし、そのマルコスの息子ボンボン(おぼっちゃまという意味ではなく、フィリピンでのあだ名がボンボン)がいま大統領をやってるんだから、すごい国ですよね。
3. スノウ・クラッシュ
SF小説です。新装版が出てからAudibleに入りました。いまはもう読み放題対象ではないのですが、電子書籍はセール中ですね。これはブログにも書いたので、ぜひ。生成AIの誕生を30年以上前に予言していた、と言えるのではないでしょうか。
4. 遊牧王朝興亡史 モンゴル高原の5000年
ロシアによるウクライナ侵攻依頼、ちょいちょいユーラシア主義に興味があって読んでいるのですが、やはり面白いですね。北方系騎馬民族である匈奴とかの解像度も上がります。最近は考古学にも遺伝子研究などの理系学問活用の波が広まっているので、新事実もたくさん。関連した本についてもブログ書いてましたね。
講談社選書メチエのような渋いラインアップも入ってきます。ほか、講談社学術文庫とか岩波現代新書なんかも期間限定で入ってきますね。
5. わたしたちが孤児だったころ
世界のカズオは早川書房の社長とめちゃ仲良しなので、当然ハヤカワepi文庫に入ってます。それも当然読み放題。いまちょうどカズオ推しの時期なので、カズオの名作がたくさん読めます。『日の名残』は入ってますが、『わたしを離さないで』はなし! 残念! 定期的におすすめ欄をチェックしておきましょう。
カズオは僕が尊敬する数少ない小説家の一人です。文体は結構もやもやしている(反復が多い、はっきりしない、語りの順序が飛ぶ、「YAWARA! か?」ってぐらいイライラする奴が出てくる)のですが、それがけっこうオーディオブックと相性がいい気がしています。
というわけで、2025年のベストAudibleをお届けしました。私は1.5倍速で聴いているのですが、けっこう頭に入ってくるものですよ。一言一句しっかりと読むというより、そのジャンルの新書をざっと3冊ぐらい聴くようなやり方の方が向いているかな、と思っています。