今回の講師は恩田陸さんです。幅広いジャンルで活躍する恩田さんからのお題は「やっぱり、お月様。」
ズバリ、お題は「月」です。
古今東西、人間はお月様から無数の物語のインスピレーションを得てきました。
太古の昔から、いったいどれほどの人が月を見上げ、おのれの心象を託してきたことでしょうか。「花鳥風月」の言葉もあるように、日本人にとって常にお馴染みの存在だったお月様。SF者にとっても、あまりにも当たり前でさんざん使い倒されてきた陳腐な存在であるがゆえに、避けては通れぬお題と思われます。
今更ですが、それでもやっぱり偉大なお月様。「月」をテーマとしたお話を作ってください。どのようなアプローチでも構いません。ただし、読み終わって「これは月の話だ」と思えるものにしてください。
(恩田陸)
ポイントは「やっぱり」という副詞でしょうか。なにをもって「やっぱり」なのか? 月という近くて遠い存在は人類の目に映り続けてきました。その距離感をいかしにしてSFに落とし込むか、実力が問われる課題となっています。
ざっくり結果だけ
ポッドキャストを聞くお時間がない方に向けて結果だけ。今回は梗概講評を2人でやったので、票が割れました。やや人狼への言及が多くなっています。
- 麦原遼『地球へのパス・コース』 1票
- アトム『アイテラス』 1票
- 高丘哲次『月の人狼、なに見て吠える?』 1票
- 英利『お月様が二つ』 1票
- トキオ・アマサワ『空腹の触』 1票
- 鵜川龍史『ナイトウォッチ』 1票
後半で触れられる実作はトキオ・アマサワ『サンギータ』が圧倒的高評価。ダールグレンラジオの一位的中記録は守られるでしょうか? その他、キャラクターの描き方などについての話題が盛り上がりました。
※引き続き、Sci-Fire発売中です。