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死に山、ドキュメンタリーと解決

高橋文樹 高橋文樹

この投稿は 6年 前に公開されました。いまではもう無効になった内容を含んでいるかもしれないことをご了承ください。

Amazonで品切れ状態となっていた話題のノンフィクション『死に山』を読んだので、その感想です。

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本書はディアトロフ峠事件という、実際にあった事件に迫るノンフィクション。ロシアの厳冬期トレッキングに出かけた大学生のパーティーがある晩、絶滅するのですが、その死に様が話題になります。全員、テントから逃げ出しており、靴も履いていないような姿で発見。ある者は木にしがみついたまま、別の者は薄着で抱き合ったまま発見されます。そして、舌のない遺体まで。

登山に慣れたこの若者たちがなぜ全滅してしまったのかについて、様々な憶測が語られます。放射能実験説、暗殺説、獣害説などなど、色々な説が登場しますが、どれも決め手にかけたまま五十年が経過。著者のドニー・アイカーはその謎をとくべくロシアに飛びます。

で、結果的にいうと、ドニーさんはその謎を解いてみせるのですが、その過程がなかなか鮮やかで、説得的です。この「実際に解く」というのはノンフィクションの中でもミステリーっぽさがあって面白いパターンですね。「殺人犯はそこにいる」みたいな感じです。

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たぶん、本書が注目されたのは、クレイジージャーニーで取り上げられたこととかもあると思うのでうすが、オカルト好きたちの話題に上るようになったのがグラスノスチ(ソ連の情報解禁)やインターネットの普及後というのが面白いですね。事件自体は古いですが、興味の対象になったのはわりと最近というわけです。

個人的には「ピダハン」や「狼の群れと暮らした男」「アクト・オブ・キリング」と同じぐらいには面白いのでは、と思いました。

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