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山梨開拓日誌〜荒ぶる野生編〜

高橋文樹 高橋文樹

この投稿は 7年半 前に公開されました。いまではもう無効になった内容を含んでいるかもしれないことをご了承ください。

前回の更新からはや半年、諸々に忙殺され、すっかり開拓が滞っていました。年始から四月までかなり忙しく過ごし、GWが明けたら豪快に休みを取ろうと思っていたのですが、双子が代わる代わる謎の咳に冒されて入院、そんなわけで今頃GWとなりました。

「開拓日誌」と銘打っていても、二歳児二人だと大したことはできないだろうと思っていたのですが、子供の世話とは全然別のところで苦労することになりました……

ニッチ、襲われる

山梨の土地は一ヘクタールあるので、いつもは到着するなり愛犬ニッチとパッキンを放すようにしています。犬二匹が我が意を得たりとばかりに走りだし、敷地内をぐるっと散策して戻ってくるのがいつものコース。ところが、今回は戻ってくるどころか、ニッチが「キャイン」と悲痛な悲鳴を挙げました。声を聞くなり只事ではないとわかったので、「ニッチ! パッキン!」と呼びかけて奥の方へ進むと、まずはパッキンが、続いてニッチが戻ってきました。

なにか怪我でもしたのかと見てみると、ニッチの脇腹に血が付いています。見てみると、三箇所ぐらい裂傷がありました。血は出ていますが、ぱっと見でそれほど重症ではない様子。パッキンは「ドッグレースに出たら?」と誘われるほど身体能力が高いのですが、ニッチはわりとどんくさく、たぶん転んで枝でも刺さったんだろうと判断し、傷口をガーゼとガムテープで保護して様子を見ようということになりました。普通に歩いてましたしね。

ところがどっこい、翌日になってみるとニッチのテンションがガタ落ち。歩くのも億劫なようで、傷口をしきりになめています。傷口を確認しようと抑えると、のたうち回って苦しむ始末。こりゃまずいかもしれないと早速最寄りの獣医(車で20分)に連れて行きました。

で、獣医に着くなり傷口をバリカンで刈ったところ……

痛々しい傷口が!
痛々しい傷口が! 穴が開いちゃってる! ちなみに茶色いのは消毒薬。

どうやらこれは何か他の獣にやられたんじゃないかという話になりました。裂傷はおそらく引っ掻かれたか噛まれた傷跡。有力なのは狐か狸か猿か猪。熊にやられていたら今頃死んでるだろうということです。しかし、狐は滅多に出ませんし、狸はいぜんパッキンが追っかけまわしていたので、13キロぐらいあるニッチがいいようにやられるとも思えません。猿はわりと逃げるので、どうもなさそう。なんか猪っぽいねということになりました。

その後、動物病院の待合室で他の飼い主さんと話していたところ、近くの山でセントバーナード(30kgぐらいある)が猪に食われて死んだとか、そういう話を聞きました。怖いですね。とりあえずニッチは傷口を消毒して、包帯を巻いて治療終わり。5日ぐらいすれば大丈夫とのことでした。

可哀想なニッチ……
可哀想なニッチ……

草刈りをする

さて、僕は猪ぐらいなら素手でも勝てるんじゃないかと思っていたのですが、どうも危険な生物のようです。夜、たまに見たりはしてましたけどね。ニッチは体重13kg、それがいいようにやられたとなると、うちの双子はほぼ同体重なわけで、大変危険です。嫁と協議の上、家に戻ってからニッチがやられたと思われるあたりの竹やぶを全部刈ろうということになりました。まあ、やるのは僕なんですけどね。

ニッチが悲鳴をあげたエリアは破滅小屋の後方に広がる竹やぶ。いぜんすっかり刈ったのですが、一年ぐらい放置したら胸の高さぐらいまで復活していました。そこを半日かけて草刈り。すると、犬がなにやら吠えているので見に行った所、竹やぶの中にウリボウが! 獣の子供がいたら、近くには親がいるはずで、僕はすぐさまスコップを取りに行って警戒態勢を取りました。その後、特になにもないようなのしたが、ウリボウはもうどこかへ行ってしまっていました。

その後、草刈りを再開すると、竹やぶの中から猪が作ったと思われる簡易ベッドのようなものが!

ちょっとわかりづらいですが、真ん中の白い部分がベッド的なところです。
ちょっとわかりづらいですが、真ん中の白い部分がベッド的なところです。

親猪の姿はなく、もぬけの殻といった感じです。ググってみたところ、猪は猟犬などに追われると子供を置いて逃げてしまうそうです。これは推測なのですが、ニッチはいつものように竹やぶに突っ込んだところ、たまたま猪のベッドに突入してしまい、そこで母猪に遭遇、脇腹をかじられたのでは。で、猪はそのまま子供を置いて退散してしまった、と。

巣がそのままだとまた猪が戻ってくるかもしれないと巣を破壊するために草刈りを続行。と、嫁が「来て来て!」と僕を呼んでいます。駆けつけると、ダンボールの中に小さなウリボウが。たぶん、さっき僕が見たやつでしょう。

この愛くるしさ……
この愛くるしさ……

一瞬、「飼おうか?」みたいな雰囲気になりかけましたが、僕はすでに子供二人、犬二匹、猫二匹を養わなければいけないので、さすがに猪の面倒までは見られません。山梨に置いておくにしても、そんなにしょっちゅう来るわけではないですし。猟友会に通達しても殺されるし、かといって自分で殺すのも寝覚めが悪いしということで、そのまま話しました。子どもたちも猪を見たばかりで、父親が殺したらトラウマとして刻まれるでしょう。もっとも、よちよち歩きのウリボウが母親とはぐれて何日も生きられるとは思わないのですが、まあ、自ら手を下すよりはいいだろういうことで。

破滅村は意外とワイルドなエリアだった

そんなわけで、ニッチも怪我をして不幸、猪も迷子になって死亡確定で不幸という感じで、自然は苛烈だなと改めて感じたのですが、どうも情報収集するに僕の土地は思ったよりずっとワイルドだったようです。

草刈りを終えた後の様子
草刈りを終えた後の様子

破滅村は周囲200mに住んでいる人がおらず、ちょっと林道を進むと廃村が何個かある寂れた場所なのですが、なぜか入り口すぐにおじいさんと犬が住んでいます。山好きが高じて横浜から移住してきたおじいさんですね。70歳ぐらいまで山スキーやっていたような、三浦雄一郎を髣髴とさせるパワフル爺さんです。そのおじいさんによると、僕らが来ていない日などは、猪がよくウロウロしているとのこと。おじいさんも庭にツキノワグマの親子が巣を作っていたので110番した経験があるとか。二軒先(といっても、500mぐらい先ですが)の家はいま廃屋になっていますが、飼っていたゴールデンリトリバーが猪にやられて重症を負ったらしいです。

農業やってなくても獣害はあるんですね。僕は北海道のヒグマと日本近海のホオジロザメ以外は特に恐るるに能わずと思っていたのですが、子を持つ身になってみると、猪なんかは恐ろしいですね。セントバーナードが食われるんだったら、僕の子どもたちも余裕で食われてしまいます。そういえば、『ゴールデンカムイ』という漫画に「弟が目の前で猪に食われた」というエピソードがありましたね。

いま僕の目下の興味は、猟銃免許を取ることです。駆逐せねばならないですね。銃を所持したりすると子供たちがギャグで撃ち合いしたりする危険性がありますが、レンタルとかでなんとかなる可能性にかけたいです。千葉でも狩猟免許取れないかどうか、検索してみる所存です。

おまけ:クライミング英才教育に失敗

小屋にボルダリングのホールドをつけているのですが、二歳六ヶ月になるうちの子供は興味ないようです。

これがベストショット。この二秒後にやめてた。
これがベストショット。この二秒後にやめてた。

やれといったらやりますが、「できない!」と言ってすぐ飽きてました。ホールドには持ちやすい「ガバ」と小さくて持ちづらい「カチ」があるのですが……(正確には持ち方で他にも色々ある)

持ちやすい「ガバ」
持ちやすい「ガバ」
小さくて持ちづらい「カチ」。ちなみに、こんな持ち方はしない。
小さくて持ちづらい「カチ」。ちなみに、こんな持ち方はしない。

どうやら、ガバでないとやりたくないみたいですね。僕が買ったホールドセットはガバx15のカチx20といった感じで、ガバは手、カチは足という分類のようですが、足もガバじゃないと嫌だとなると、結構な出費が……そんなわけで、終わり。

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