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世慣れないあなたのための見積書・請求書・確定申告についての覚え書き

高橋文樹 高橋文樹

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この投稿は 11年 前に公開されました。いまではもう無効になった内容を含んでいるかもしれないことをご了承ください。

現在、小説に挿絵をつけてくれる絵師さんとの仕事を進めているのですが、請求書の書き方について教えてくんなましと言われたので、覚え書きしておきます。

無料写真素材PAKUTASOより
無料写真素材PAKUTASOより

個人事業主の仕事の流れ

どのような種類の仕事であれ、次のような感じになります。

  • 仕事の依頼が来る
  • 金額が決まっていなければ、見積書を提出する
  • 発注の約束を貰う
  • 納品する
  • 請求書を起こす
  • 報酬が振り込まれる
  • 確定申告で源泉徴収を取り返す

ステップ1. 仕事の依頼が来る

たとえば個人のイラストレーターとかで、依頼が来たとします。基本的には以下の3点を固める必要があります。

  1. 納品物(具体的なモノではない場合は納品形態)
  2. 報酬
  3. 納期

僕自身はWebサイトなどに価格を公表しておいた方がよいと考えています。少なくとも、価格の例(ex. A3ポスターフルカラー5万円)ぐらいは書いておいた方がよいでしょう。もちろん、価格交渉力がある方はこの限りではありません。

見積書や発注書は必要か

イラストや文章等の仕事の場合はだいたい相場が決まっているので、「いついつまでにおいくら万円でホニャララを作って」という依頼が来るはずです。これにメールや電話で「了解しました」といった時点でお仕事が決まるというのが出版業界では慣例です。

が、これからは個人間の取引なども増えてくると思いますので、見積書や発注書ぐらいはすぐに作れるようになっておいた方がよいです。

Excelのテンプレートなどがたくさん公開されているので、「見積書 テンプレート excel」などでググってみつけてください。

価格交渉をしてもよいのか

どの仕事を幾らでやるのかはその人がそれぞれ決めたらいいと思うのですが、かなりの頻度で発注額を言わないで仕事を依頼してくる人がいます。そういう場合は必ず価格を言ってもらい、言質を取ってください。これは自分を守るためです。メールなどの形に残る言質をゲットしましょう。

で、価格交渉についてですが、多くのサラリーマンには価格決定権がありません。多少の裁量を任せられている場合もありますが、大体はないです。

誰に価格決定権があり、先方の予算規模は幾らぐらいなのかがわかれば勝ったも同然ですが、世慣れないうちはそんなことわからないし面倒くさいので、あんまり価格交渉にこだわらない方がいいと思います。引き受けるか引き受けないかで判断してください。

「この人は決定権ないな」とか、「ここの上司っていつも後から覆してくるな」などの嗅覚も後々身に付いてきます。

ステップ2. 納品する

金銭面での折り合いがついていざお仕事を終えたとします。ソフトウェアの開発などですと納品書を起こしたりしますが、大体は口約束です。どのような状態になったら完成なのかは事前に確認しておいてください。

文章仕事だと「校了」の文字をゲットしたらそれで終わりだと思います。

ただし、依頼主の決定フローにもよるのですが、場合によっては「担当者がオッケーといったのに後から上司がNGと言ってきた」みたいなケースがありえます。その場合は修正費用もらうなり、以後その依頼主からの仕事は仕事の進め方を考え直すなり、適宜工夫が必要です。

ステップ3. 請求する

納品が終わったら請求します。ちゃんとした依頼主なら「請求書ください」と言ってくるはずですが、何もいってこないケースがあります。これはすっとぼけている場合と単に忙殺されている場合の二種類があるので、「請求書誰宛に送ればいいですか?」などとわからないふりしてせっつきましょう。

請求してすぐ振り込まれるとは限らない

請求の翌月とか、最悪翌々月末など、会社によってまちまちです。額が少ない場合はすぐ振り込まれますが、金額が大きくなると支払いが遅れがちなので、生活設計は慎重に行ってください。

できれば発注時に確認しておくことをお勧めします。

請求額から源泉徴収されて振り込まれる

依頼主が法人の場合、請求額の10%が源泉徴収されて振り込まれます。源泉徴収とは、支払い側に所得税を先払いさせる仕組みですね。

なお、請求書に源泉額が書いてあると、こいつわかってるな感が出るので、書いておくとよいかもしれません。源泉徴収には消費税を含める方式と含めない方式があり、どっちでもいいらしいので、依頼主に確認してみましょう。

余談ですが、優しい会社は源泉徴収で差引される分を足して請求書を起こしてもいいよと言ってくれます。

請求書に書くもの

  • 請求先の会社名、担当者名、住所
  • 自分の名前、住所、振込先
  • 納品物の名称と納品日、単価など

これは雛形が転がっているので、それを参考にしてください。

捺印に関してですが、法的には必要ないらしいのですが、あった方が違和感がないので、スキャンなどして画像をExcelなどにぺたっと張っておきましょう。稀に「ちゃんと朱肉で押さないと駄目」といってくる会社があるので、その場合は言われた通りにしましょう。

なお、請求書に収入印紙を貼る必要はありません

請求書の送付形態

これには2パターンあります。郵送で送れという場合と、メールにPDFなどで添付する方法です。

法的にはどちらでもよいようなのですが、これは依頼主の業務フローによりますので、言われた通りの方法にしてください。

ステップ4. 確定申告

2月半ば〜3月半ばは確定申告の時期です。確定申告とは「去年の1月から12月までの収支状況はこんな感じでござった」というのを税務署に申告することです。

個人事業主の場合、源泉徴収されているので、300万稼いだとしたら、手元に入っているのは270万円になります。この30万円は所得税としてすでに引かれています。

確定申告をきっちり行うことで、このうちのいくらかが返ってきます。基本的には「このお金を稼ぐのにこれだけの経費がかかりました、なので課税対象はもっと少ないです、税金取り過ぎです、返して!」というわけですね。

経費として計上できるもの

まず基礎控除といって、一律38万円は控除の対象にできます。上の例でいえば、262万円が課税対象ってことですね。

次に、年金・生命保険・社会保険なども控除の対象にできます。普通に年金払っていれば、この時点ですでに課税対象が100万ぐらいに圧縮できますね。

残るは必要経費です。必要経費には色々あるのですが、ざっと挙げて以下のようなものがあります。

  • 旅費交通費(電車賃・ガソリン代・宿泊代など)
  • 家賃・光熱費の一部(自宅で仕事をしている場合)
  • 書籍・PCおよび家電(仕事と関係あるもののみ)
  • 飲食代(これも仕事と関係あるもののみ)

普通の人は白色申告なので、領収書は必要ないと思いますが、ありとあらゆるレシート(レシートも領収書です)をすべてとっておき、保存するよう心がけましょう。

なお、個人事業主の場合は仕事とプライベートの境目が曖昧なので、普段からわけておいてください。僕は財布にお仕事用レシートゾーンとプライベート用レシートゾーンを設けています。

ちなみに、経費として計上できるのは50%とか60%とか業種によって違うとか諸説ありますが、とにかく、きちんと説明できるレシートを持っていれば追徴課税とかはないと思います。

確定申告が受理されると、4月ぐらいに還付金が振り込まれます。

終わりに

大まかな流れのみ説明しましたので、後はおググりください。いまはWebに情報が沢山あるので、すぐ見つかると思います。

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